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すべての個体から有害化学物質が検出

分析の結果では、すべての個体から有害化学物質であるPCBsとBUVSsが検出されています。

うち4個体からはBUVSsのUV-9、UV-326、UV-320、UV-350、UV-328が散発的に高い濃度で検出。UV-328は2023年、ストックホルム条約に登録されたばかりの化学物質です。

オーストンウミツバメの尾腺ワックスから検出されたプラスチック由来の化学物質(UV-328)(提供:日本野鳥の会)

また、PCBsとDDEは北太平洋に生息するほかの海鳥と比較しても、成鳥のオーストンウミツバメでは一部で高い濃度の蓄積がありました。繁殖期の前半と後半のPCBsとDDE濃度の比較では繁殖期後半(渡去前の5月)に高い傾向が見られています。

加えて、PCBsとDDEの濃度には相関関係があったものの、PCBsとBUVSsの濃度には相関関係が見られず、BUVSsの検出はプラスチックの摂食に起因することが示唆されたのです。

今後もプラスチック汚染の調査が望まれる

今回の研究により、伊豆諸島に生息するオーストンウミツバメにおいて高濃度の有害化学物質の蓄積が発生していることが判明しました。

この研究結果はウミツバメ類におけるプラスチック汚染のリスクを危惧した国外の研究と一致することから、世界中のウミツバメ類についてもプラスチック汚染に関連する幅広い研究・調査を行うことが望まれています。

(サカナト編集部)

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