誰もが知っている魚「スズキ」。
釣りのターゲットとしても人気な魚ですが、食べるとなるとなぜか「臭い」や「まずそう」という悪いイメージを持っている人も少なくありません。
しかし、スズキは上手な選び方をすれば、とても美味しいく食べることのできる魚です。
そもそもスズキってどんな魚?
スズキはホタルジャコ目スズキ科に属する海水魚です。
主に河口付近や海水と淡水が入り混じる汽水域に生息しており、釣り人からは“シーバス”とも呼ばれ、釣りのターゲットとして人気の高い魚でもあります。
ブリと同じく大きさによって名前が変わる出世魚でもあり、1歳魚の全長20〜30cm程度のものを“セイゴ”、2〜3歳の全長40〜60cm程度のものを“フッコ”、4歳以上の60cm以上の成熟魚をスズキと呼びます。
また、地域によって呼び名は変わり、関西ではフッコのことを“ハネ”と読ぶこともあるようです。
スズキは高級食材?
出世魚のスズキはもともと知名度が高く、高級魚として料亭や割烹で取り扱われていました。
一方、釣り人などでイメージが悪化した原因は、スズキの生育環境にあります。
スズキの生育する内湾や汽水域は有機物が多く、汚泥などが蓄積しやすい環境です。加えて、工業排水による水質汚染の影響もあり、スズキの身に泥臭さやケミカルな臭いが移ってしまうことがあるのです。
また、環境要因以外にも、水揚げされた後の血抜きや締めが適切な状態でないと、身が悪くなってしまうこともあります。
こうした要因から、スズキに対して「臭そう」や「まずそう」といったネガティブなイメージが付くようになってしまったと考えられます。
市場で500円で売られていたスズキとの出会い
実は筆者も、スズキに対して良いイメージを持てない人のひとりでした。しかし、市場で売られていた1匹のスズキに出会ってから、ネガティブなイメージが一瞬で覆りました。
それは、今年4月下旬に愛知県西尾市にある「三河一色さかな村」に行った時のこと。
三河一色さかな村(提供:さかなおき)市場の片隅に全長約30センチほどのスズキ(セイゴ)が、500円で安売りされてました。
「スズキの旬は初夏から夏、旬の時期にはまだ早いだろうし、セイゴサイズでは脂ののりが少ないかな」と思いつつ、なぜか後ろ髪を引かれる思いがあり、思い切って購入しました。
市場で買った500円のスズキと、イシガレイ(提供:さかなおき)ワンコインで高級魚に負けない美味しさ
家に帰り、その日のうちにスズキの半身をお刺身にして食べてみました。
スズキのお刺身(提供:さかなおき)すると変な臭みもなく、とても食べやすい。脂身の少ないサッパリとした美しい白身が、もちもち食感と相まってペロリと食べられました。
見た目はマダイに似ているものの、サッパリとした奥深い風味で、個人的にはマダイよりも美味しく感じました。
もう半身は天ぷらにして食べてみました。
スズキの天ぷら(提供:さかなおき)柔らかくて風味のある白身は、天ぷらにすることでさらに美味さが倍増。家族からも「マダイやシマアジよりもうまい」「次からスズキさんと呼びます」と、とても大好評でした。ただし、個人差はあります。
スズキは刺身でも揚げてもどんな料理にも合う、最強のポテンシャルを秘めた魚でした。
本当は美味い!スズキの魅力
スズキを選ぶ際に重要になるのが、どこで捕れた個体かということ。綺麗な海域で育った個体は臭みもなく、美味しく食べることができます。
また、地域によってはブランド化されているスズキもあり、産地や時期をしっかり選べば、美味しいスズキに出会うことができるでしょう。
もしどうしても臭みのあるスズキを調理する場合は、塩を溶かした氷水で塩水処理したり、熱湯をかけまわして霜降りにしたりすることで、ある程度臭みを落とすことができます。ぜひ一度試してみてください。
(サカナトライター:さかなおき)