株式会社カンゼンは6月22日、書籍『海のへんな生きものと暮らす僕 ダイオウグソクムシを「スター」にした水族館学芸員の飼育日記』を刊行しました。
著者は、鳥羽水族館の学芸員として長年にわたり深海生物の研究や飼育に携わってきた森滝丈也氏。本書では、ダイオウグソクムシをはじめとする深海の無脊椎動物たちの生態や研究現場でのエピソードが紹介されています。
『海のへんな生きものと暮らす僕 ダイオウグソクムシを「スター」にした水族館学芸員の飼育日記』書影(提供:株式会社カンゼン)深海に生息する“へんな生きもの”の世界
本書で取り上げられているのは、一般にはあまり知られていない深海生物たち。いずれも独特な形態や生態を持ち、研究が十分に進んでいない種も少なくありません。
例えば、長期間ほとんど動かないことで知られるダイオウグソクムシや、鏡餅のように重なり合う求愛行動を見せるカガミモチウニ、いまだ多くの謎が残されているオウムガイなどが登場します。
また、世界でも極めて単純な構造を持つ多細胞生物とされるニハイチュウや、脚の中に内臓が伸びているという特徴を持つウミグモなど、個性的な生物たちの姿も紹介されています。
飼育員・研究者としての体験を記録
著者の森滝氏は鳥羽水族館で深海生物の飼育や研究に携わりながら、新種の発見や分類学的研究にも取り組んできました。
本書では、生きものの解説だけでなく、研究者として未知の生物と出会う過程や、飼育現場での試行錯誤についても語られています。
水族館公式ホームページがパンクした(提供:株式会社カンゼン)特にダイオウグソクムシは、鳥羽水族館での展示をきっかけに広く知られる存在となりました。本書では、その飼育記録や反響についても紹介されています。
深海研究の魅力を伝える一冊
森滝氏は、本書では主に深海に暮らす無脊椎動物たちの不思議な生態を分かりやすく紹介しながら、その魅力を伝えることを目指したとしており、「深海は『もうひとつの宇宙』と呼ばれるほど、いまだ謎に満ちた世界だ。そこで生きる彼らは、僕たちの常識を軽々と超える形や生き方を持っている。読者のみなさんにとって未知の海への扉となり、深海の生きものたちを面白いと感じるきっかけになればうれしい」とコメントしています。
全8章構成で、「へんな生きもの研究所の誕生」から「深海の人気者ダイオウグソクムシ」、「オウムガイは僕の30年来の相棒」、「究極のへんな生きものニハイチュウ」まで、多彩なテーマが収録されています。
深海生物の生態だけでなく、研究者の探究心や発見の喜びにも焦点を当てた一冊として注目されそうです。
※2026年6月23日時点の情報です
(サカナト編集部)