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神戸須磨シーワールドによる絶滅危惧種<カワバタモロコ>の域外保全 ビオトープに25個体を放流

神戸須磨シーワールド(兵庫県神戸市)は6月10日、絶滅危惧種に指定されている淡水魚「カワバタモロコ」の域外保全の取り組みとして、三菱電機神戸製作所の敷地内ビオトープに館内で繁殖した同種25個体を放流したことを発表しました。

【画像】絶滅危惧種・カワバタモロコ

カワバタモロコの継承式典も行われ、神戸須磨シーワールドと三菱電機神戸製作所が連携して地域の希少生物の保全活動を進めていく姿勢を示しました。

カワバタモロコ継承式典の様子(左)、ビオトープにカワバタモロコを放流(右)(提供:株式会社グランビスタホテル&リゾート)

神戸須磨シーワールドと三菱電機神戸製作所が保全活動で連携

カワバタモロコ(学名:Hemigrammocypris neglectus)は、本州中部地方以西や四国の瀬戸内海側、九州北西部の湖沼や用水路などに生息する日本固有種です。しかし近年は開発や水環境の変化などの影響を受け、生息数が大幅に減少しています。

環境省のレッドリスト2020では絶滅危惧ⅠB類に分類されるほか、神戸版レッドリスト2025でもAランクに指定されており、地域における保全の重要性が高まっています。

神戸須磨シーワールドでは、前身である神戸市立須磨海浜水族園の時代から、市内に生息するカワバタモロコの保全活動を継続。今回の取り組みは、生息地以外で種を維持する「域外保全」の一環として実施されたものです。

希少な水生生物の生息環境を再現したビオトープ

放流先となった三菱電機神戸製作所の敷地内にあるビオトープは、カワバタモロコをはじめとする希少な水生生物の保全を目的として2026年3月に造られたものです。

施設内には雑木林やため池、田畑の土手などが整備されており、神戸地域の里山環境を再現。こうした環境の中でカワバタモロコの生息・繁殖を目指し、地域の生物多様性保全につなげる考えです。

三菱電機神戸製作所 ビオトープ(提供:株式会社グランビスタ ホテル&リゾート)

神戸須磨シーワールドは今後、放流した個体の定着状況を継続的に観測しながら、生育環境の維持と保全活動を支援していく予定だといいます。

絶滅が危惧される日本固有種の保全へ

カワバタモロコは神戸市内でも絶滅の危険性が高まっており、緊急性の高い保全対策が求められています。

生物多様性の保全が社会的な課題となるなか、地域に根差したこうした取り組みは、絶滅危惧種の保全体制を強化する活動の一例として位置付けられています。

今回の放流は、飼育下で繁殖した個体を活用して生息環境を分散させる取り組みの一つであり、地域企業と水族館が連携して希少種保全を進める事例として注目されそうです。

(サカナト編集部)

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