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“カエル好き”約50人が東京・新宿に集結!「ケロケロ!カエルBOOKS」開催レポート

東京都新宿区にあるサカナに特化した小さな本屋<SAKANA BOOKS>は6月28日、図鑑『カエルとオタマジャクシハンドブック』(文一総合出版)の刊行を記念したトークイベント「ケロケロ!カエルBOOKS」を開催しました。

ゲストは本書の著者のうち、木村楓さん(東京農工大学農学研究院・特任助教)、野田叡寛さん(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター和歌山研究林・研究員)、福山亮部さん(琉球大学熱帯生物圏研究センター・特別研究員)の3人。木村さんは会場で、野田さんと福山(亮)さんはオンラインでそれぞれ登壇しました。

会場には子どもから大人まで幅広い年齢層の“カエル好き”約50人が集結。著者によるトークショーや対談を楽しんだほか、質疑応答やサイン会では登壇者にさまざまな質問がされるなど盛況でした。

当日の様子をレポートします。

サークル運営のウェブサイトが図鑑に?

今年4月に発売された『カエルとオタマジャクシハンドブック』は、野外でも使用できるカエル図鑑。日本に生息するカエル全54種を収録しています。

都合により今回のイベントは不参加だった福山伊吹さん(北海道大学北方生物圏フィールド科学センター特任助教)を含む著者の4人は、かつて「京都爬虫両棲類の会」というサークルに所属していたといい、このサークルが運営しているウェブサイト「Web両爬図鑑」が本書のきっかけになったそうです。

同サイトでは日本に生息する全ての爬虫類・両棲類をまとめているほか、参考文献を明示し実際の論文を追えるようにしていたり、島ごとに生息する爬虫両棲類のリストを載せていたりと本格的な内容で、これが文一総合出版の編集者の目に留まりました。

オタマジャクシは環境によって姿を変える?

初めに登壇したのは、野田叡寛さん。「環境によって姿を変えるオタマジャクシ」を題目に、研究テーマであるオタマジャクシにおける表現型の可塑性について語りました。

表現型の可塑性とは「環境に合わせて体を変える力」のことで、例えばヒガシニホンアマガエルのオタマジャクシは天敵のヤゴがいると尾の色がオレンジ色に変わります。野田さんによると、このような尾の変化は、天敵のなかでもヤゴでのみ引き起こされる変化で、特にギンヤンマのヤゴによって強く引き起こされることがわかっているといいます。

可塑性と思われる姿や形をしたオタマジャクシは他にも多数いるといい、『カエルとオタマジャクシハンドブック』を参考に、他とは違う見た目の個体を見つけた際には教えてほしいと呼びかけました。

鳴き声でカエルを探す

続いて、木村楓さんのトークテーマは「鳴き声でカエル探し:近所の散策から最新AIの活用まで」。

木村さんは、環境変動下における生物のモニタリングの重要性について触れた上で、近年の技術発展により、野生生物の個体群をほぼ自動でモニタリングすることが可能になりつつあると説明。最新のAIを活用することで大量の音声データを解析し、鳴き声から種類を判別することを可能にするというものです。

これが実現すれば、特定エリアにおける外来種の侵入などが自動でわかるようになるなど生物多様性モニタリングで効果を発揮します。現在は多様なデータ収集を進めているそうです。

「生態写真」と「白背景写真」の役割

これまで世界各地でカエルを撮影してきた福山亮部さんは「カエルの写真を撮る方法」をテーマに、『カエルとオタマジャクシハンドブック』に掲載されている「生態写真」と「白背景写真」の2種類の役割を解説しました。

生態写真の主な役割は「文章では説明しきれない内容を伝えること」。そして、生態写真を撮るには、写真技術だけでなく、知識と情報、運と時間が必要だとして、必要な知識と情報を持った上で何度もフィールドに通うことが大切だと説きました。

一方の白背景写真は「個体の特徴をわかりやすくすること」が重要だといい、目的に応じていろいろな角度から撮ったり、体の一部を拡大で撮影したりすることもあるそうです。

会場からは実際の撮影に関する質問があり、福山さんがより実用的な手法を説明する場面もありました。

著者3氏+編集者による対談&サイン会

対談では、『カエルとオタマジャクシハンドブック』を担当した編集者も交えて、著者3人が事前アンケートや会場からの質問に答える形で進行しました。

「研究者になろうと思ったきっかけは?」との質問には、それぞれが学生時代を振り返りながら説明。会場からは親子で来場していた参加者から「研究者になると伝えて親からは何と言われた?」との質問もあり、3人とも両親から反対などはなかったと語りました。

『カエルとオタマジャクシハンドブック』の中で注目してもらいたいポイントに関する質問では、野田さんは「検索表」、木村さんは「ツチガエルのページ」、福山亮部さんは「ヤエヤマアオガエルの写真が使用された表紙」を挙げました。

また、各著者の研究テーマに関することなどが書かれたコラムページも読んでほしいとのことでした。


トークショー後には現地登壇の木村さんによるサイン会も実施され、直接質問ができる貴重な機会になりました。

パネル展&両生類グッズの販売も

会場では、『カエルとオタマジャクシハンドブック』パネル展も実施。図鑑に登場するカエルたちの鳴き声がBGMとして流れる中、多くの参加者がパネルに見入ってました。

カエルや両生類に関する本コーナーが設けられたほか、このイベントのために新たに入荷したグッズ等も並びました。

参加者のみなさんが思い思いに本やグッズを購入している様子が見られました。

ハンドブックを片手に出かけよう

未就学児からご年配の方まで、幅広い年代・属性の人が参加した「ケロケロ!カエルBOOKS」。ゲストとして迎えた著者3人が同級生ということもあってか、和やかな雰囲気の中で進行しているのがとても印象的でした。

イベント参加者のみなさんからはカエルへの探究心の強さが感じられ、『カエルとオタマジャクシハンドブック』を片手に観察へと出かけていく姿が思い浮かびました。

(サカナト編集部)

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