過去の化石を再調査することで、新たな知見が得られることは珍しいことはではありません。
岡山理科大学大学院の髙野恭明氏らの研究グループは、1990年末から1992年にかけて大阪府貝塚市蕎原(そぶら)から得られた、モササウルス化石を再調査。新たに4点の化石が得られました。
そして、この化石を精査したところ、新種のモササウルス類の可能性が見出されています。
この研究成果は、6月27日に大阪公立大学杉本キャンパスで開催された第177回日本古生物学会例会で発表されました。
海へ進出したトカゲの仲間<モササウルス類>
モササウルス類は海へ進出したトカゲの仲間で、白亜紀後期に世界中で生息していたと考えられています。
しかし、北西太平洋域におけるモササウルス類の化石記録は多くありません。そのため、日本で発見されるモササウルス類の化石は、このグループがどのような多様性を持っていたのか検討するうえで重要な存在です。
約30年越しとなる再調査
きしわだ自然資料館には、1990年代末から1992年にかけて大阪府貝塚市蕎原で発掘されたモササウルス類の化石が収蔵されています。
きしわだ自然資料館(提供:PhotoAC)今回、研究グループは、このモササウルス類の化石を再調査。岩石に包まれた未処理の部分を慎重に取り除くクリーニング作業を行った後、化石の精査を行いました。
初確認の部位を含む4点の化石が得られる
クリーニングの結果、新たに4点の化石が得られています。
中でも前上顎骨と呼ばれる上顎先端を作る骨は、国内のモササウルス類では初めて確認された部位とのこと。こうした、頭部の化石は種を識別するうえで重要な部分であり、この研究の大きな成果の1つとされています。
既知種と異なる形質を確認
化石が発見された当時は、比較できるモササウルス類の標本が少なかったため、詳しい同定は困難でした。
しかし近年、モササウルス類の研究が進んだことにより、比較できる標本や情報が増加。研究の結果、きしわだ自然資料館に収蔵されていたモササウルス類の化石は、脳付近の骨で短い突起が左右へ水平に張り出していること、通常みられる溝がないといった特徴を持つことが明らかになっています。
これらの特徴は既知のモササウルス類と一致しないことから、新種である可能性もあるとのこと。また、化石の大きさから、このモササウルス類は全長6メートルと推定されています。
新種のモササウルス類の可能性も
今回の研究により、にきしわだ自然資料館に収蔵されていたモササウルス類の化石が再調査され、新たに4点の化石が得られました。
研究グループは脳付近の化石の形態が既知種と異なることから新種の可能性も含めて研究を進めていくとしています。
(サカナト編集部)