日本の食生活において身近な魚卵は、タラコやイクラ、カズノコなどどれも数が多いですね。天敵に捕食される危険があることから魚は一度に多数の卵を産む傾向にありますが、いったいどのように産卵しているのでしょうか。
この記事では、魚の産卵について様々な切り口で見ていきたいと思います。
魚の種類によって卵の産み方は多種多様
魚の種類によって、産卵の仕方は大きく異なります。
一度に産む「数」の違い、「頻度」や「回数」の違い、「産み方」の違いなど、例を挙げて見ていきたいと思います。ヒトと比較しながら考えてみると面白いかもしれません。
最大で3億個、最小で2個? 卵の数で見るとこんなに違う!
最も産卵数の多い魚はマンボウと言われています。お腹の中に2~3億個の卵があります。ただし、マンボウの卵巣内には様々な発達段階の卵細胞が確認されたので、一度にすべての卵を産むのではなく、複数回にわたって産卵すると考えられています(マンボウのひみつ、2017年、澤井悦郎)。
一方、産卵数が少ない魚は卵生のサメと言われています。卵生のサメのナヌカザメは一度に2個の卵を産卵します(ナヌカザメの赤ちゃんが産まれましたー沖縄美ら海水族館)。卵生のトラザメ、ネコザメも同じく一度に2個、トラフザメは一度に4個産卵します。
産卵回数にも幅がある?
一生に一度だけ産卵(お腹の中の卵を数回に分けて産卵)し、産卵をすると全ての個体が死んでしまう魚がいます。それが、サケやカラフトマス、ベニザケなどです(日本のサケ科魚類ー国立研究開発法人水産研究・教育機構)。
これらの魚は何年かかけて大きく成長した後、次の世代に命をつなぐという目的を果たすと力尽きて死んでしまいます。これらの魚たちの生き様は産まれた時から備わっている本能による神秘です。
一方、マダイやメダカのように多年にわたって産卵する魚もいます。産卵期のマダイやメダカなどは毎日産卵することもあると言われています。
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