一般的に魚というと、水中をすいすいと泳ぐ姿を想像しますよね?
しかし、様々な生態を持つ魚類の中には、水中で呼吸ができずに窒息してしまう魚もいるんです。
今回はそんなユニークな生態を持った魚、ハイギョについてお話ししていきます。
生きている化石
ハイギョは今から約4億年前のデボン紀に出現したと言われています。
デボン紀と言われてもピンとこないかも知れませんが、魚類の時代とも呼ばれるほど魚類が栄えた時代です。古代魚の代名詞ともいえるシーラカンスもこの時代に出現しました。
当時の化石から海水・淡水域に沢山の種類が生息していた事がわかっていますが、現在は海水域には生息しておらず、淡水にすむ6種のみが知られています。
魚なのに溺れる!?
ハイギョは肺呼吸に依存している為、息継ぎができないと窒息してしまいます。
通常、野生下ではその様な事はあまりないと思いますが、飼育下において、水面を蓋で覆ってしまうと息継ぎができず窒息死してしまいます。
繭を作って乾季に耐える
しかし、水中で呼吸ができないのもデメリットばかりではありません。
一部の例外を除き、ハイギョはえら呼吸のみで生活できないことから、水のない乾季に耐える能力を持っています。これを夏眠と言います。
粘液と泥で出来た繭(まゆ)に身を包み、水が干上がる魚類にとって厳しい乾季を土中で乗り越えます。
壁からニュルニュル…?
ところで皆さんは、もしも自分の家の壁からニュルニュルと細長い魚が這い出て来たらどう思いますか…?
アフリカの農村地域の土壁の家屋では、夏眠中のハイギョが土と一緒に壁に埋め込まれてしまい、雨季になると壁から這い出すという逸話があるそうです。
実際目の当たりにしたら、いくら魚が好きでもびっくりしてしまうのではないでしょうか……。
1
2