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海中で見ると上手く擬態しているツマジロオコゼ

飼育中のツマジロオコゼ(撮影:椎名まさと)

ツマジロオコゼ(学名Ablabys taenianotus)はスズキ目カサゴ亜目ハオコゼ科の魚で、ハオコゼと近縁の小型種です。小型種ですが動物食性が強く、ゆらゆら歩くように動き、餌のエビや小魚に気が付かれずに近づき捕食することができます。しかし素早く泳いで餌をとるというのは苦手なようです。

なお本種もハオコゼ同様に背鰭棘などに毒があり、刺されると痛みます。琉球列島などで採集できるほか、観賞魚として販売されていることもあります。

水槽で見るとあまり落ち葉に見えませんが、シュノーケリングなどで海に潜ると、まわりに同じような枯れ葉が落ちていることがあるためか、非常に上手く擬態しています。

体が枯葉に似ているリーフフィッシュ

Monocirrhus polyacanthusと思われる(撮影:椎名まさと)

スズキ目ポリセントラス科の魚で、体が枯葉に似ているのでこの名前がついています。ポリセントラス科の魚は南米とアフリカに分布し5種が知られていますが、一般的にリーフフィッシュといえば、南米産の種、学名でいえばMonocirrhus polyacanthusという種を指すことが多いです。

食性はツマジロオコゼ同様に肉食性であり、気が付かずに近寄って来た魚を大きな口で飲み込んで捕食します。観賞魚として輸入され、飼育されていることもあります。また水族館でもお馴染みの魚です。

擬態の大きな目的は「生存競争で生き残るため」

魚の枯れ葉への擬態は「身を守るため」と「餌を確保するため」という一見真逆の二つの理由があります。しかし、共通の目的として「生存競争で生き残るため」という大きな目的があります。

身を守るために枯れ葉に擬態するタイプの魚は、弱い幼魚期のみ、枯れ葉に擬態することが多く、逆に枯れ葉に擬態して餌を捕食する魚は成魚でも小型の魚が多く、生存競争では弱い立場の魚であるともいえます。この色彩でなければ、このような魚たちは生き残ることができなかった、といえるかもしれません。

(サカナトライター:椎名まさと)

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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