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バラハタの色彩

バラハタは色彩の変異や、幼魚と成魚の色彩に大きな違いが大きいです。幼魚は写真のように白っぽい体色で体側に黒色縦帯が入るのが特徴です。

また尾鰭の付け根に大きな黒色斑があります。この黒い帯や尾鰭付け根の黒色斑は成長するにつれて消えてしまいます(ただし幼魚サイズであっても成魚に近い模様のものがいたりします)。

バラハタ幼魚(撮影:椎名まさと)

上記写真より小さい個体では吻端から背鰭起部付近にまで白い線が入っていることが多く、写真でもわずかに確認できます。

一方オジロバラハタの幼魚は全身が赤く、腹部が白っぽかったりしますがこの種も変異が多いです。バラハタ同様吻端から背鰭付近に白い線が入っていることが多いです。観賞魚店においてはオジロバラハタの幼魚がたまに販売されていますが、大きくなりますので安易に手を出してはいけません

バラハタの成魚は色彩の変異が非常に大きく、全身が黒っぽいもの、全身が黒く明瞭な紫色の斑点があるもの、全身が赤いもの、生時は全身が青いものなどさまざまな個体が見られます。一方オジロバラハタの方は変異が少ないように思います。

バラハタを食する

バラハタは先述の通り東京では販売が自粛されますが、その一方産地として知られる沖縄県では市場でよく販売されている魚です。

沖縄県では東京のように販売規制はされておらず、普通に販売され、食用とされていますが、大型個体は時々「あたる」とされており、あたった事例が新聞などで報じられると市場価値が一時的に落ちるともされます。

一方オジロバラハタはバラハタと異なり小型種でシガテラ毒をもつことはほとんどない、ともされています。また、バラハタよりも色が鮮やかであることが多いため、バラハタよりも利用価値は高いとされています(沖縄さかな図鑑)。

バラハタ属の刺身。美味しい。手前がバラハタ、奥がオジロバラハタ(撮影:椎名まさと)

なおバラハタもオジロバラハタも、沖縄県内では区別されることなく、通常「ながじゅーみーばい」として販売されています。

ながじゅー」というのは長い尾、つまり他のハタと比べて尾の上・下葉が長いことにちなみ、「みーばい」は眼が大きい、つまり「メバル」と同じ意味になります。

東京都では販売が自粛されているため食べることは難しいですが、沖縄に行ったときなどに是非味わってみてはいかがでしょうか。

(サカナトライター:椎名まさと)

参考文献など

下瀬 環.2021. 沖縄さかな図鑑.沖縄タイムス社,那覇.208pp.

野口玉雄.1996.フグはなぜ毒をもつのか 海洋生物の不思議.日本放送出版協会.224pp.

市場魚介類図鑑
東京都通知により措置が定められた魚介類 東京都保健医療局

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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