アクアリウムでエビは人気のある生物です。小型のビーシュリンプなどはエビのみで飼育されることも多いのですが、魚と一緒にエビを飼育したいというアクアリストも多いと思われます。
しかしながら、魚とエビの関係を理解しておかないとエビを魚に食べられたり、逆にエビに魚を食べられたりすることもありますので、注意が必要です。ここでは魚とエビを飼育する上での注意点や、共生関係についてご紹介します。
なお、ここでは海水魚の飼育についても扱っています。海水魚は真水(淡水)で飼育することはできません。また海水魚飼育の設備は淡水魚とは異なるものが必要になります。詳しくは専門誌などをご参照ください。
魚はエビを好む
まず、魚とエビの関係で最もよく知られていることとして、魚がエビを捕食する、ということがあげられます。
ことわざのひとつに「海老で鯛を釣る」というものがあるように、タイ科の魚はエビなどの甲殻類が大好きです。釣りにおいてはクロダイはスジエビなどを使い釣りますが、マダイはクルマエビの子であるサイマキなどを使います。
しかしエビの仲間はほかの魚にとっても大好物で、イシダイやイシガキダイ、モンガラカワハギ、ウツボなどの魚は硬いイセエビすらバリバリと食べてしまいます。淡水のスジエビやヌマエビなどのエビもオヤニラミやギギ、ドンコといった淡水魚の好物となっています。
我が家のギバチやアリアケギバチなども、霞ヶ浦で漁獲されたエビ(テナガエビやヌカエビなど)が大好物です。
エビも魚を食べる
一方エビも種類によっては魚を食べてしまいます。
オトヒメエビというエビはハサミが赤色と白の縞模様で、アクアリストにも人気のエビなのですが、このエビのハサミは大きくて強く、大きいものは小魚をバリバリと捕食してしまいます。
可憐なエビなのですがこうやってアップで見ますと、トゲや毛が生えている、かなり強そうなハサミを有しているのに驚かれる方も多いかもしれません。
このほかアメリカザリガニやテナガエビなどは魚と混泳しているとハサミで魚を捕食してしまうことがありますし、磯でよく見られ無害そうに見えるイソスジエビや、河川で見られるスジエビなども稚魚や小魚を食べてしまうことがありますので、海や川で採集してきたエビを水槽に入れるときは注意が必要です。
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