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特定外来生物<ウシガエル>を食べてみた 厄介者だけど美味しい?

水辺のあらゆる生き物を捕食し、その鳴き声の大きさからしばしば“厄介者”扱いされるウシガエル

ギョッとする見た目ですが、実は驚くほどにおいしい!

そんなウシガエルが日本に移入された背景や生態、おいしさまでマルっとご紹介します。

ウシガエルの生態

ウシガエルは英名でもbull frog(牛のカエル)と呼ばれており、その名の通りヴォーヴォーという牛のような低い鳴き声が特徴です。

体長は11センチから18センチ程で、日本に住むカエルの中で最も大きいカエルといえます。

目の後ろにある大きな鼓膜が特徴的(提供:ぱくたそ)

体は暗褐色~緑色で背中に黒っぽいまだら模様があり、目の後ろに大きな鼓膜がついています。

ザリガニ、昆虫、ネズミなど何でも食べる姿はまるでフードファイター。しかし、希少な在来種も食べてしまうので生態系への影響が懸念されています。

戦時中に日本に持ち込まれた背景

ウシガエルは1918年、アメリカから食用として日本に持ち込まれました。当初は各地で養殖されていたのですが、戦後は徐々に食糧が豊富となり、日本で食用として定着することはありませんでした。

その後、養殖場から逃げ出したウシガエルが各地で増加し、現在では全国に分布しています。

生きたままの移動はNG! 捕獲時の注意点

ウシガエルは、フランスや中国、東南アジアなどで普通に流通しており、高級なレストランでカエルを使った料理を提供していることもあります。

そんなウシガエルの味が気になり、居ても立ってもいられなくなった筆者は、捕獲・調理・実食までしました。その様子をレポートします。

ウシガエルは夜行性 捕獲後は取扱注意

まずは捕獲へ。

ウシガエルは夜行性なので夜の池や沼などで見つけるのは比較的容易です。

ただし、捕獲後の扱いには非常に注意が必要です。

こちらはヒキガエル。毒があるので間違えないように注意。(提供:PhotoAC)

ウシガエルは法律で特定外来生物に指定されているため、捕獲後は生きたままの移動や飼育が禁止されています。捕獲したら必ずその場で締めましょう。

特定外来生物の扱い方については、環境省のホームページで確認できます。

同じく大型のカエルでヒキガエルがいますが、こちらは身体中にイボがあり強い毒をもちます。ウシガエルと間違えないように、くれぐれも注意してくださいね。

いざ実食 果たしてそのお味は?

カエルの調理法で最もポピュラーなのが唐揚げ。そこで、今回はシンプルに醤油のみで味付けをし、粉をつけて揚げることにしました。

いよいよ、ウシガエルの実食です。

皮と内臓だけ取り除き、唐揚げにしました。(撮影:草間あやめ)

若干見た目に戸惑いながらも、思い切ってかぶりつきました。食感は鶏肉よりも繊維質が強く、まるでホタテの貝柱のようです。

そして気になるお味ですが、やみつきになるほどおいしいのです!

例えるならば、某ファストフード店のフライドチキンに近い味。こんなにうま味たっぷりなのになぜ日本で定着しなかったのか、不思議でなりません。

なお、ウシガエルには寄生虫がついていることがあります。必ずしっかりと火を通して食べましょう

厄介者として扱われる生物の魅力を今一度見つめ直そう

ウシガエルをはじめ、外来生物は“厄介者”として扱われる事も多いのが現状です。

まずは様々な角度からその生き物を見ること、そこになぜ住んでいるのか背景を知り魅力を感じることが大切ではないでしょうか。

(サカナトライター:草間あやめ)

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草間あやめ

ガサガサが大好きな一児の母。息子と一緒にタモ網を持って水辺を駆け回っています。好きな水生生物は、カエルとウツボ。海、川、田んぼで見つけた生き物の魅力を発信いたします。

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