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自宅で<メダカ鉢ビオトープ>!小さな容器で感じた3つの手間 「小さい=簡単」ではない?

「自宅でビオトープを作ってみたい」と考えたことはありますか?

世間では、主に全長90センチのトロ舟をメインとするものが紹介されています。これは、容器が大きいほど貯めておける水の量が多くなり、水量が多いほど水質の悪化リスクも下がって質の高い環境が維持しやすくなることが理由に挙げられます。

【画像】1年が経ったベランダビオトープの様子

ですので、場所が許す限り水草や抽水植物のビオトープは大容量で挑むことをおすすめします。一方、さまざまな場所で市販されている「メダカ鉢」も、ビオトープ作りの材料としてはメジャーです。

サイズは小さいながらもシェアは圧倒的ですし、なにより安価。なので、まず入門用にそういったメダカ鉢からスタートしたい……と考える人も多いと思います。

ところがいざやってみると、なかなか管理が難しいんですよね。難しいというか、手間が目立つのです。

今回は、2024年6月から自宅に導入した一般的なメダカ鉢を使ったビオトープを維持するにあたり、見えてきた問題点を挙げてみましょう。これからメダカ鉢ほどのサイズでビオトープを始めたいとお考えの人は、あらかじめ生じる手間について把握しておくと良いかもしれません。

1年中“足し水”必須! できれば雨水が当たる範囲に設置したい

キープできる水量が少ない容器は、それだけ「蒸発」の影響を受けやすいということになります。多く見かけるメダカ鉢はまさにその影響を受ける典型的な容器と言えます。

今年は稀に見る渇水が全国的に見受けられますが、我が家のメダカ鉢もまさに日々の水の蒸発チェックは欠かせなくなっています。日当たり、それから植えているモノの密度にもよるのですが、おおよそ3日に1回ペースでしっかりと足し水をする必要が生じているところです。

ビオトープに使える容器の代表、メダカ鉢(提供:PhotoAC)

例年であれば、7月も雨はそこそこ降るため、そこまで蒸発にナイーブにならずとも良いのですが、それでも気付けば減っているのが小サイズの容器の貯水量。また、水は季節を問わずに蒸発しますので、屋外設置の場合は多少雨水が降り注ぐことを意識したエリアに設置すると多少ラクになります。

日頃の貯水量チェックは欠かせないので、何日も目を離すということがないようにしなければならないというのが、サイズの小さな容器で行うビオトープ作りのデメリットですね。

水量が少ない=環境変化が起きやすい 生き物は入れない方がいいかも?

貯水量が多い容器は、それだけ環境の変化に強く、維持も簡単。逆にメダカ鉢は貯水量が少ないので、環境の変化を受けやすく、ちょっとしたことが引き金になって植物やメダカなどの生態にも影響を及ぼしがちです。

水量のキープこそ水質の安定に繋がる!(提供:松本ミゾレ)

容器の小ささから来る水温の不安定さも、そのひとつ。夏場は水温が上がりやすく、冬場は逆に下がりやすいため、そのせいで植物を枯らせたり、生き物を弱らせることがあります。

メダカの場合は水温の変化にも強いため、市販のメダカ鉢であれば問題なく過ごせるでしょう。しかし、これもある程度しっかり水が入っていればの話です。

維持には“足し水”が大前提なので、やはり容器が少ないとその頻度も高くなり、手間もかかるというわけなのです。

野生の来訪者の訪問に耐えられるレイアウト構築が難しい

そして、これは“屋外に設置するビオトープあるある”なのですが、水辺があることを察知した生き物が色々と集まって来ることは珍しくないところです。

例えば、小鳥が行水をしに来たり、近くに営巣しているハチが水分補給をしに飛来したり、トンボが卵を産んでヤゴの楽園になったり──。我が家でも、おたまじゃくしがいつの間にか発生しており、今まさにカエルへの変態を遂げている最中です。

そろそろカエルになる我が家の居候(提供:松本ミゾレ)

こういった野生の生き物が訪問するのも、ビオトープを管理する上での楽しみではあるのですが、訪問者の種類や大きさによっては、ビオトープのレイアウトを崩される場合も。

トロ舟など大容量の容器ならあまり気になりませんが、小さな容器だとせっかくのレイアウトを完全に壊されることもしばしば……。

昨年の7月頭の状態。豊富な苔はこの後到来した獣に踏み荒らされ撤去……(提供:松本ミゾレ)

特に段差を意識したレイアウトは鬼門で、やってきたヒキガエルに台無しにされるとか、夜間に訪れるタヌキやハクビシンなどの獣に水分補給ついでに踏み固められるなんてことも。

それはそれで楽しみのひとつではあるのですが、レイアウトの構築にこだわりが強いという人は、波板を気軽に使えたり、土台からある程度しっかり固めておけたりする大きな容器でのビオトープに挑戦する方がいいかもしれません。

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松本ミゾレ

松本ミゾレ

史上初、ゴンズイ玉に足を突っ込んで無傷だった男

フリーライター。猫、クサガメ、金魚、メダカ、ドジョウなどと暮らす。ベランダにトロ舟を設置して数年経過するも、まだタガメは飛来せず……。 水の生き物が大好きな水恐怖症。

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