今年2月、東京・日本橋に大手食品メーカーが集まり、報道機関に向けて新製品やこれまでの取り組みなどを発信する展示発表会が開催された。
各メーカーが魅力的なブースを展開する中、魚肉すり身製品をメインに取り扱う、鈴廣かまぼこのブースで気になる製品を発見。消費者から注目されている「魚肉タンパク」の最前線を走る同社の新製品を紹介したい。
食品メーカーが参加 新製品や取り組み発表
今回開催された「ネタマッチ2024年春夏合同記者発表会」は、食品分野の各メーカーが参加し、自社新商品や取り組みなどを各報道機関に発表する場だ。
日常の食卓において馴染み深いメーカーの新製品が展示スペースで手に取ることができ、広報の担当者とも話ができる。さらには、試食サンプルの提供も非常に多く、お腹いっぱいになるイベントとなっている。
鈴廣かまぼこってどんな企業?
「鈴廣かまぼこ」は、全国的に有名な魚肉すり身製品の老舗メーカー。本店が置かれている小田原市風祭には「鈴廣かまぼこの里」があり、かまぼこや練り物などの販売のほか、地産地消のバイキングレストランや手作り体験教室のあるかまぼこ博物館、ギャラリー&ショップにカフェや飲食店などがあり、小田原観光において外せない人気スポットにもなっている。
また、すり身製品に多く含有されている、魚肉タンパク質の健康機能性解明など様々なテーマで基礎研究を行う「魚肉たんぱく研究所」も設立。既存のやり方にとらわれず、新たな視点・取り組みで「お魚たんぱく」の普及を推進させている企業だ。
サラダにピッタリな新製品のかまぼこ
今回、同社がイチ押しする新商品は、3月1日に発売された「サラダにのせるかまぼこ」だ。ありそうでなかったこの商品の詳細、また、今後企業として力を入れて取り組むことなどについて広報の田口徳子さんに伺った。
かまぼこはサラダと相性抜群
ーー「サラダにのせるかまぼこ」の開発経緯は?
田口さん「現在、カニかまやサラダチキンをサラダにのせることは一般的ですが、かまぼこをのせるという習慣はいままでにありませんでした。ただ弊社は、板かまぼこをサラダにのせて食べるという提案を昔からさせていただいておりました。ところが、ダイレクトに『かまぼこ×サラダ』の食べ方を訴求することが難しく、今回の『サラダにのせるかまぼこ』を発売することで、『かまぼことサラダって合うんだ』とユーザーの方にわかりやすく伝えることができるようになりました」
ーー「サラダにのせるかまぼこ」の特長はなんでしょうか?
田口さん「一番の特長は食感です。サラダの素材との調和と、それをより美味しくさせる為の食感を実現させました。通常の板かまぼこと比較して、『食感は柔らかめ、味わいは優しめ』に仕上げています。
また、サラダにかけるドレッシングに含まれているオイルとの相性が抜群です。サラダの魅力は、様々な食感が入ることで、口に入れた時の踊るようなリズム感や、緩急がある点だと思います。そのサラダを構成する『シャキシャキ・パリパリ』といった食感に、この商品を加えることで『プリッ・ムニュッ・ちゅるん』といったいままでにない食感を生み出し、よりサラダを楽しく美味しく食べることができます」
田口さん「この商品には、まぐろの魚油を配合しており、DHA・EPAが豊富に含まれています。これは、必須脂肪酸と呼ばれ、人間の体の中ではほとんど作られないものであり、食物からとらなくてはいけません。そういった意味でも健康に気をつかう方におススメできる商品に仕上げています」
手軽に「お魚たんぱく」が摂取できる
━━━どんな人に購入してもらいたいですか?
田口さん「魚のタンパク質はとても体に良く、日本人の体にもあっています。しかし、現在では『魚の調理が煩わしい・後処理が面倒くさい』などの理由から魚離れが進んでいます。そんな中で、『かまぼこという食べ物を通じて、魚のタンパク質を手軽にとって欲しい』という想いが商品の根底にあります。
『切って・のせる』という2ステップで完成するので、共働き夫婦やタイムパフォーマンスを気にする人、健康志向な人をターゲットにしています。弊社の商品はすべて保存料や化学調味料に頼らずに、天然素材100%でおつくりしています。体にとって良い原料を厳選して製造しているので、美味しいものを求める方や、自分の食べる物にしっかりと向き合って食事を楽しむ方に食べていただけると嬉しいですね」
「サラダにのせるかまぼこ」おすすめの食べ方
━━━おすすめの食べ方はありますか?
田口さん「『シャキシャキ・パリパリ・プリンプリン』といったいろんな食感を楽しんでもらえるような『パワーサラダ』がおすすめです。弊社でも『新パワーサラダ』として食べ方を提案しております。また、シンプルな形なので色々な切り方ができます。細切りや、賽の目・乱切りもできるので、幅広いサラダメニューに使用できます。細切りにしてバンバンジーのような食べ方も美味しいですよ!」
鈴廣かまぼこが力を入れて取り組んでいくこと
最後に、鈴廣かまぼこが今後力を入れていくことを聞いてみた。
田口さん「『お魚たんぱく』の推進に力を入れていきます。魚のタンパク質の良さが研究で示されている中で、日本人は魚離れが進んでいます。魚はとてもサステナブルな資源と言われ、現在では『サステナブル・シーフード』として、様々な形で魚食の推進が行われていますよね。そんな中で弊社は、かまぼこで商売をしているので、魚の良質なタンパク質を積極的にとっていただきたいと思い、『お魚たんぱく習慣』と名付けてこれからも訴求し続けていきます」
かまぼこの老舗メーカーでありながら、「魚肉タンパク」で挑戦を続ける鈴廣かまぼこ。今後の取り組みにも注目したい。
(サカナト編集部)