ある日、ペットショップを眺めていると、ある“カニ”と出会いました。
それがヴァンパイアクラブと呼ばれる小さなカニです。
その特徴的な名前と独特な見た目とは裏腹に、穏やかな性格で飼育が容易だといいます。
ペットショップで出会った<ヴァンパイアクラブ>
先日ペットショップに行き、綺麗な熱帯魚や可愛らしい金魚など、さまざまなサカナたちを眺めていました。たくさんの種類が並んでいる中で目にとまったのが「ヴァンパイアクラブ」というカニです。
まず、その名称のインパクトに思わず二度見してしまいました。
吸血鬼のように血を吸うのかな……といった予想をしつつどんなカニなのか見てみると、黒の体色に鮮やかな黄色の目、黄色の模様が特徴的。ちょっと不気味で、なんとなく触ったら危ないような見た目をしています。
ヴァンパイアクラブ(提供:PhotoAC)甲羅の真ん中の黄色の模様は、ドクロマークや昭和のレトロゲームのキャラクターを思わせます。
“ヴァンパイヤ(吸血鬼)”というインパクトの強い名称で呼ばれていますが、生体を説明したラベルには吸血鬼を連想させるような特徴は書かれておらず、見た目の美しさが強調されていました。
また、名称や見た目の印象に反して温厚な性格をしているようで、「人気No.1入門品種」と書かれているなど飼育もしやすいカニのようです。
ヴァンパイアクラブ イラスト(提供:うる)ヴァンパイアクラブには黒と黄色の体色のほかに、いろんなカラーバリエーションがあるようです。
ペットショップの水槽には、ハサミや背中は赤で、復甲や脚は黒という個体もいました。こちらは「レッドデビルヴァンパイアクラブ」というかっこいい名称が掲示されていました。
バンパイア(ヴァンパイア)クラブとは?
バンパイア(ヴァンパイア)クラブは「ドワーフクラブ」の一種で、インドネシアの淡水域に生息するカニの仲間。色彩豊かな体色が特徴です。
水辺に近い陸地に住み、夜行性で物陰を好む臆病な性格の小さなカニで、その印象的な名前は鮮やかな黄色い目がどこか怪しさを漂わせていることからつけられたとされています。つまり、毒やハサミにドラキュラのような危険性がある……というわけではないようです。
一方、目が黄色ではない個体もいて、体色も黄色や赤だけでなく、紫やオレンジ色などさまざまな種類がいます。
日本の淡水カニと比較してみると
日本固有の淡水ガニである「サワガニ」と比較すると、バンパイア(ヴァンパイア)クラブの体色の色彩がより際立ちます。
サワガニ(提供:PhotoAC)特に、ペットショップで取り扱っているバンパイア(ヴァンパイア)クラブの個体はカラフルできれいなものが多いため、日本の水生動物の素朴さがより強調されます。
一方、日本のカニの飾らない姿は落ち着いた雰囲気を感じさせるため、ヴァンパイアクラブとは違う魅力を感じますね。
バンパイア(ヴァンパイア)クラブの飼育では陸地が必須
ヴァンパイアクラブを飼育する際は、水槽の中に水場と陸地の両方が必要なため、カニの全身が水に浸かる程度の水場に、石、流木、コケ、植物などで陸地を作ってあげる必要があります。
パルダリウム(陸地と水辺両方に生息する動植物を取り入れたアクアリウム)やアクアテラリウムとしてお部屋のデザインとしても楽しめますよ。
「バンパイア(ヴァンパイア)」と呼ばれる生きものは他にも
ちなみに、「ヴァンパイア(バンパイア)」と呼ばれる水生生物は他にもいます。
ヴァンパイアシュリンプ
バンパイア(ヴァンパイア)シュリンプは西アフリカ原産の夜行性のエビ「アフリカンロックシュリンプ」などのことで、健康状態や環境条件などによって、青、クリーム色、灰色、ピンクなど色が変化するのが特徴です。
この不思議な性質と体長最大約15cmにもなる大きな体格が、名前の由来だといわれています。攻撃的ではなくストレスの少ない環境を好んで活動する穏やかな性格のエビです。
ヴァンパイアスクイッド
深海には「バンパイア(ヴァンパイア)スクイッド」と呼ばれる頭足類もいます。
学名は「Vampyroteuthis infernalis」。これには“地獄のヴァンパイアイカ”という意味があるそうです。
日本では「コウモリダコ」と呼ばれている種で、イカなのかタコなのか混乱してしまいますが、実際にはイカでもタコでもないと考えられているようです。
体色は黒や赤褐色で、触手が大きなマントのような膜で結合しており、これが吸血鬼のマントのように見えることから名前が付いたといわれています。
こちらも血を吸うことはなく小さなマリンスノーを食べる温和な性格の生物です。
ヴァンパイアフィッシュ
バンパイア(ヴァンパイア)フィッシュは見るからに恐ろしく、まさに“吸血鬼”のイメージにぴったりです。アマゾン川に生息する肉食魚で、現地では「ペーシュ・カショーロ」と呼ばれています。
ペーシュ・カショーロとは“犬の魚”という意味で、最大の特徴は下顎から生える長く鋭い2本の牙。この鋭い牙を使い、ピラニアを捕食するともいわれています。
牙がむき出しになった恐ろしい顔つきやそれに付随した噂に反して、肉食魚の中ではおとなしい性格のようで、口に入らない大きさの魚には手を出さないそうです。
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