京都大学博士課程・篠田晏希氏らの研究グループは、高知県土佐市で得られたヤドカリの体腔内から発見された等脚類を新属新種として記載しました。
この研究成果は「Systematic parasitology」に掲載されています(論文タイトル:A new genus and new species of endoparasite (Isopoda, Entoniscidae, Diogenioninae) from the hermit crab Diogenes izanamiae in southwestern Japan)。
十脚類に寄生する等脚類
カニヤドリムシ科は、世界で18属42種日本で10属11種が報告されている等脚類の1グループです。
等脚類と聞くと耳馴染みのない感じがしますが、身近な生物であるダンゴムシや水族館でよく見るグソクムシの仲間でもあります。カニヤドリムシ類の特徴は成体が、エビやカニ、ヤドカリなどの十脚類の体腔内に寄生することです。
カニ類に寄生する種が多く知られる一方、ヤドカリ類に寄生するカニヤドリムシ科は非常に少なく、2属3種のみが知られているにすぎないといいます。
ヤドカリの体腔内から新種を発見
今回、新属新種として記載されたカニヤドリムシ科は、2025年に高知県土佐市の潮下帯(ちょうかたい:潮の満ち引きで常に水に浸かっている場所)から得られたイザナミツノヤドカリの体腔内から発見されました。
高知県土佐市の海(提供:PhotoAC)このカニヤドリムシ科は、解剖学的な形質を精査した結果、雌胸部に7対の脚をもつこと、腹部に4対の腹肢をもつことが判明。この形質は既知のどの属にも当てはまらないことから、新属新種と判断されたのです。
本種は Paradiogenion japonica と命名され、種小名は日本から初めて発見されたことに因んでいます。また、和名はヤドカリに寄生するカニヤドリムシ類であることから、ヤドカリノカニヤドリと命名されました。
カニヤドリムシ科の中でも祖先的な種
今回の研究により、高知県土佐市の潮下帯から得られたイザナミツノヤドカリの体腔内から発見されたカニヤドリムシ科の等脚類が新属新種として記載されました。
本種は形態的な特徴からカニヤドリムシ科の中でも祖先的な種と考えられています。
(サカナト編集部)