横浜・八景島シーパラダイスの水族館「アクアミュージアム」は現在、6月7日に産卵されたサラワクスウェルシャークの卵を展示しています。
同施設でサラワクスウェルシャークの産卵が確認されたのは初。透明な殻を持つ珍しい卵で、内部で成長する胚の様子を観察できる貴重な展示となっています。
深海に生息する小型のサメ
サラワクスウェルシャーク(学名:Cephaloscyllium sarawakensis)は南シナ海や台湾、マレーシア周辺など西太平洋の深海域に分布しています。
主に水深100~200メートル付近の海底で生活するトラザメ科のサメです。
サラワクスウェルシャーク(提供:株式会社 横浜八景島)名前の由来となった「スウェル」は膨らむという意味で、危険を感じた際に胃へ水や空気を取り込み、体を大きく膨らませる独特の防御行動をとることで知られています。
また、同じ仲間であるナヌカザメ類の中では比較的小型で、成長しても全長40センチほどにしかなりません。深海に生息するため観察機会が限られており、その生態には多くの謎が残されています。
初めて確認されたサラワクスウェルシャークの産卵
横浜・八景島シーパラダイスは、アクアミュージアム内でサラワクスウェルシャークの卵の展示を開始。今回展示されている卵は6月7日に産卵が確認されたもので、施設として初めての繁殖事例となります。
展示場所はアクアミュージアム3階の「LABO8 海の王者サメ~五感で知るサメの世界~」。卵の長さは約7センチで、来館者は透明な卵殻を通して内部で育つ胚の様子を観察できます。
サメ類の卵は種類によってさまざまな形状を持ちますが、サラワクスウェルシャークの卵は高い透明度を持つことが特徴です。
ガラス細工のような透明な卵殻
今回展示されている卵の最大の特徴は、ガラス細工を思わせる透明な卵殻。殻越しに胚の成長過程を観察できることから、深海性サメの発生をじっくり観察することが可能です。
サラワクスウェルシャークの卵(提供:株式会社 横浜八景島)透明な卵殻は周囲の環境に溶け込み、外敵から身を守るための適応ではないかと考えられています。しかし、その生態については未解明な部分も多く、研究が進められている段階だといいます。
水族館では、卵の中で成長する個体の状態を継続的に観察しながら、孵化に向けた飼育管理を行っているそうです。
今回の展示は、深海性サメの繁殖や発生過程を紹介する事例としても注目されており、今後の成長や孵化の経過が期待されます。
※2026年6月23日時点の情報です
(サカナト編集部)