今月、鹿児島県日置市の吹上浜ではツキヒガイ漁が解禁されました。
ツキヒガイは全国的にはまだ知名度が低いものの、鹿児島県日置市では「さらげ」の名で親しまれており、近年は味の良さが評価され、人気が上昇している貝でもあります。
この記事ではツキヒガイについてご紹介します。
なぜツキヒガイとい名前が付いた?
ツキヒガイはイタヤガイ科ツキヒガイ属に分類される殻長12センチ程の二枚貝です。
本種は山陰~九州の日本海及び房総半島~九州の太平洋に分布。味が良いことから食用になり、鹿児島県が主産地として知られています。
なお、イタヤガイ科には本種の他にホタテガイやヒオウギなどの重要な食用貝が含まれています。
ツキヒガイの殻は平たく表と裏で殻の色が異なることが特徴であり、ツキヒガイ(月日貝)の名は白色の面を月(夜)、茶色の面を日(陽)に例えたことに由来します。
ツキヒガイは秋の味覚
全国的にはまだ知名度の低いツキヒガイですが、産地では濃厚な味わいが評価され秋の味覚として親しまれているようです。
特に鹿児島県日置市の吹上浜沖はツキヒガイの産地として有名であり、小型底引き網で漁獲されたツキヒガイが江口漁協で水揚げされています。江口漁協ではツキヒガイの水揚げ量が鹿児島で一番多く、令和元年は43トンもの水揚げがありました。
単価の高いツキヒガイは日置市の新名物として期待されていて、ブランド貝「吹上浜の月日貝」として様々なPR活動が行われています。
吹上浜の月日貝
吹上浜は月日貝の主産地として知られているだけではなく、資源保護のために様々なルールが設定されているようです。
「吹上浜の月日貝」では網を曳く時間、1隻あたりの漁獲量を定めている他、ツキヒガイの産卵期に考慮して漁期が9~3月の6ヶ月と決められています。また、ツキヒガイは8センチから水揚げが可能ですが、吹上浜では10センチ以上のみを水揚げしているとか。
月日貝を味わえる「ツキヒテラス」が登場
そんな吹上浜がある鹿児島県日置市の物産館「江口蓬莱館」では、月日貝を知って楽しむイベント「月日祭」を開催。また今月には、江口蓬莱館の横に月日貝をはじめとする日置市の農水産物を屋外デッキで満喫することができる「ツキヒテラス」がオープンしました。
ツキヒガイは味の良さが評価されている一方、鮮度の低下が早いことが知られているため、新鮮なツキヒガイが食べられるのは産地ならではかもしれません。日置市へ行った際にはぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
(サカナト編集部)