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深海に生息するテナガエビは高級食材? 赤い体を持つアカザエビ

テナガエビといえば日本の河川に広く生息する甲殻類ですが、深海にもテナガエビがいるのをご存じですか。

「深海のテナガエビ」はイセエビに匹敵する高級食材として知られているのです。

深海に生息するテナガエビ?

アカザエビ(提供:PhotoAC)

深海に生息するテナガエビの正体は、標準和名で「アカザエビ」と呼ばれる甲殻類です。アカザは本種の体色が藜(あかざ)の若葉に似ていることが由来で、特徴的な長いハサミから別名「テナガエビ」とも呼ばれるようになりました。ただし、両者は見た目が似ているものの、分類学的に近縁ではありません。

アカザエビは十脚目・アカザエビ科に属する体長20センチ程の大型甲殻類。深海性のエビで水深200~400メートルの砂泥底に巣穴を作って生活してます。刺網、籠、底引き網で漁獲され、特に籠で漁獲されたアカザエビは状態が良く高価です。また、あまり知られていませんが、本種は銚子から日向灘の太平洋沿岸のみに生息する日本固有種でもあります。産卵期は10~11月で、卵は美しい青色をしていることが特徴です。

国内のアカザエビ科は本種の他にサガミアカザエビミナミアカザエビが知られており、いずれも底引き網などで漁獲され食用になります。どちらもアカザエビより小型であることやミナミアカザエビはより南方に生息することが特徴。アカザエビ、ミナミアカザエビ、サガミアカザエビは色彩が異なることから区別されています。

アカザエビは高級食材

日本近海の深海には多くの甲殻類が生息しており、ジンケンエビツノナガチヒロエビ、アカザエビなど漁業対象になる種も少なくありません。中でもアカザエビは高級エビとして知られ、特に大きな個体は高値で取引されます。

主な産地として駿河湾、愛知県、千葉県などが知られており、漁獲されたアカザエビは活・生・冷凍の状態で流通します。新鮮な個体の身は刺身や寿司に用いられ、頭部のミソは良い味がするので、みそ汁や揚げ物で食べると非常に美味です。

アカザエビを使ったパスタ(提供:PhotoAC)

また面白いことに、アカザエビはハサミがある個体とない個体とでは価格が異なり、ハサミが折れていない完全体のほうが高値で売られます。通常、ハサミは食用としませんが、欠損しているとアカザエビの見栄えが悪くなるためです。味は変わらないのにハサミがないだけで値段が変わってしまいます。

アカザエビは海外でも食べられている

アカザエビは世界的に需要の高い水産物として知らています。イタリア語でスカンピ(スキャンピ)やフランス語でラングスティーヌと呼ばれ、パエリアやパスタ等のヨーロッパ料理に欠かせない食材です。

また、ヨーロッパはアカザエビの産地としても有名であり、トロール(底引き網)で漁獲されたものが世界中に流通しています。日本で見られる外国産アカザエビはヨーロッパ産の他に、ニュージーランドや韓国産の入荷がメインです。

このように深海にはアカザエビという高級なエビが生息しているのでした。大きな個体は非常に高価ですか、小型個体はお手頃価格なのでまずはそこから試してみはいかがでしょうか。

(サカナト編集部)

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