カツオノエボシを観察してみた
まず、カツオノエボシを観察する際の注意ですが、カツオノエボシを移動させる場合は必ずゴム手袋等を着用しましょう。また、風でたなびいた触手が腕などにつく可能性があるため、カツオノエボシを風上に置かないように注意も必要です。
加えて、もう一つ注意したいのが、カツオノエボシは死んでも毒は残っていること。万が一刺された場合は触手をピンセットなど直接手で触れない方法で取り除き、適切な方法で洗浄しましょう。

安全が確保されたらバケツやバットなど適当な容器に水を張り、カツオノエボシそっと中に入れて観察します。
漂着していたカツオノエボシを水に浸したことにより纏わり付いていた砂が落ち、生き物本来の姿を見ることができます。気胞体の下部にある鮮やかな栄養個虫は捕らえた獲物を消化し、体に栄養を送る役割を持つ部分です。
長く伸びた触手は螺旋のような見た目をしており、非常に美しい構造をしていることがわかります。
体から何かが分離
カツオノエボシの観察を続けていると、バットの中に青いフワフワしたものが漂っているのを発見。
これは生殖枝と呼ばれるものであり、カツオノエボシの生殖体から切り離されたものだそう。最近、この生殖枝に着目した研究が行われ、謎に包まれていたカツオノエボシの繁殖生体について少し明らかになっています。
気になる方は『Scientific Reports』に掲載されている「Physalia gonodendra are not yet sexually mature when released」をチェックしてみてください。
毒に注意して観察しよう
今回、風が強く吹き付けた海岸でカツオノエボシやカツオノカンムリ、エボシガイを見つけることができました。
風が強く吹いた後は波が高いこともあるため波打ち際には近づかないこと、カツオノエボシ等の有毒生物を観察する際には刺されないよう十分な安全対策を行う必要があります。
観察には細心の注意を払いましょう。
(サカナトライター:まうまう)
2