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海洋ごみが<アマモ場>に与える影響が明らかに 光合成や水流を阻害する?

アマモ場は「海のゆりかご」として知られており、様々な生物が暮らしています。

しかし、近年は日本のみならず世界的にアマモ場が減少。生態系に大きな影響を及ぼしていると考えられています。

この要因の一つとして、海洋ごみの蓄積が懸念されてきました。

特に分解されにくいプラスチックは長期間生態系に影響を与えるとされているものの、具体的な影響を長期的に評価した研究は世界的に見ても十分ではないといいます。

そこで、長崎大学の研究グループは長崎県の有川湾で4年間にわたるフィールド実験を実施。海底ごみがアマモ場に与える影響と除去効果を明らかにしました。

この研究成果は「Marine Pollution Bulletin」に掲載されています(論文タイトル:Efficacy of removing marine debris and the effects of sustained exposure on a Zostera marina meadow)。

アマモ場は“海のゆりかご”

海草類から成るアマモ場は「海のゆりかご」とも呼ばれており、様々な生物が利用しているほか、炭素固定といった重要な役割を担っています。

アマモ場(提供:PhotoAC)

そんなアマモ場ですが、日本を含めた世界中で減少傾向にあります。減少の原因の1つとして考えられているのが海洋ごみです。

特にプラスチックは長く海にとどまることから、生態系を圧迫する可能性があるといいます。

しかし、プラスチックによるアマモ場への影響について長期的に評価した研究は世界的に見ても不足していました。

長崎県・有川湾の2地点で4年間にわたる実験

そうした中で、長崎大学の研究グループは長崎県・有川湾の2地点で、4年間にわたるフィールド実験を実施し、海底ごみがアマモ場に与える影響を明らかにしました。

ごみの除去効果は?

実験ではフィールドを「ごみを継続的に除去する区間」と「ごみの除去を途中で止める区間」のエリアに分け、アマモの被度(アマモがどのくらい海底を覆っているのか)と面積の変化について追跡が行われました。

4年間の調査で合計426キロのごみを回収したところ、その65パーセントが漁網、全体の74パーセントがプラスチック由来だったといいます。また、ごみの除去を継続した区間では、除去を止めた区間と比較してアマモ場が拡大したことがわかりました。

これは、海底ごみの除去によりアマモが地下茎を伸ばすスペースを確保できたからと考えられています。

ごみを放置した影響

健康なアマモ場の上に漁網を設置した実験も行われました。その上で期間(67~252日)ごとのダメージが測定されています。

結果、漁網を設置した区間でアマモの個体数密度が著しく低下することが明らかになりました。また、減少率の比較では対照区と比較して、252日間放置した区間では大幅に加速していることがわかったのです。

これは、漁網がアマモの光合成を妨げるほか、水流を阻害し酸欠状態を引き起こすことが原因と考えられています。

今後はよりミクロな視点で調査も

今回の研究により、海洋ごみによる負の影響は短期間で現れること、海洋ごみを除去することがアマモ場の回復に寄与することが明らかになりました。

研究グループは今後も海洋ごみがアマモの根圏の微生物などに与える影響など、調査を進めていくとのことです。

(サカナト編集部)

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