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“背骨を持たない”動物の世界とは? 企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」開幕

国立科学博物館で、企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」が2024年3月12日(火)から6月16日(日)まで開催されます。

同企画展は、海に広がる多様な“背骨を持たない”動物(無脊椎動物)の世界にスポットをあてたものです。ときには私たち脊椎動物と比較したり、標本や映像を用いたりしながら、海生無脊椎動物の世界をのぞくことができます。

サカナト編集部では、企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」の会期前日に行われた報道内覧会を取材。本展監修者である動物研究部 海生無脊椎動物研究グループの並河洋先生、小松浩典先生、脊椎動物研究グループの中江雅典先生による展示解説と一緒に展示を見学しました。

その内容をレポートします!

(左から)小松浩典先生、並河洋先生、中江雅典先生

海生無脊椎動物の世界を肌で学べる展示がたくさん!

企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」は、国立科学博物館日本館の企画展示室と中央ホールで行われます。

「後生動物の系統樹」で動物の分類を知る

入ってすぐ、私たちを囲むように展示されているのは、第1章「多様な動物の世界」。ここに広がっている図は「後生動物の系統樹」です。

後生動物とは、単細胞の原生動物を除くすべての動物の総称。つまり、この系統樹では地球上に存在するほとんどの動物の分類を知ることができます。

「後生動物の系統樹」

動物全体は現在、34門にわかれています。私たち人間や魚、哺乳類、爬虫類、鳥類など、背骨を持つ動物が属しているのは「脊椎動物門」。つまり、ほか33門の動物はすべて「無脊椎動物」に属しています

そして、のうち31門には海にすむ動物が含まれているのです! 中には、私たちがよく知るクラゲやサンゴ、ウミウシから目には見えない微生物たちまで、さまざまな特徴を持つ動物たちがいます。これを知ると、無脊椎動物の世界に興味が湧いてきませんか?

同企画展では、そんな多種多様な海生無脊椎動物について知ることができるのです!

[刺胞動物門]モモイロサンゴ

ちなみに、今回展示されているものの中で一番深いところからサンプリングされた標本は、棘皮動物門でウミユリの仲間である「ムーランルージュ」。およそ800メートルの海底から採取されたそうです。

[棘皮動物門]ムーランルージュ

海生無脊椎動物の形や生態を学ぶ

第2章は「不思議な海生無脊椎動物の形や生態」。海生無脊椎動物の形や生態を、さまざまなトピックスを通して学ぶことができます。

例えば、トピックス「海の中で体を支える」では、背骨を持たない海生無脊椎動物たちが、水圧がかかる水中で体を支える仕組みを解説。脊椎動物の骨格と海生無脊椎動物の外骨格などを比較して、互いの体のつくりの違いをわかりやすく紹介しています。

[節足動物門]タカアシガニ

すべての章を通して、展示内容から答えを探せるクイズが設置されているので、展示内容を自主的に学ぶ仕掛けとしてぴったり。子ども向けとのことでしたが、大人も十分に楽しめそうです。

国立科学博物館 企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」第2章

人と海生無脊椎動物の関わりを知る

第3章では「人とのかかわり」と題し、私たちと海生無脊椎動物の関わりを知ることのできる展示となっています。

私たちは海生無脊椎動物を活用しながら文化を発展させてきました。エビやカニ、貝など食用とされているものをはじめ、宝飾や資材として扱われているサンゴや真珠、海綿などの海生無脊椎動物たちを、実際の加工品と共に紹介しています。

しかし、彼らが私たちに与えるのは良い影響だけでなく、私たちの暮らしに悪影響を及ぼす海生無脊椎動物も。寄生虫や外来生物といった有害生物についても触れ、これからの関わりについて改めて考えるきっかけになるような展示となっていました。

国立科学博物館 企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」第3章 有害生物

絶滅危惧種の存在や標本の存在意義を知る

第4章は、「海生無脊椎動物を理解する意義」。パネルを中心とした構成で、海生無脊椎動物のなかにも絶滅に瀕している種がいることや、博物館の標本の存在意義などを解説。生物多様性を解明する研究は現在進行形で行われており、私たちはその歴史の真っ只中にいることを改めて実感しました。

4章立てではありますが、自由導線が想定されており、展示室内は自由に行き来ができるようにひらけています。「自分の興味に従って展示を見れるように」とのことです。

国立科学博物館 企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」会場

「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」も同時開催!

国立科学博物館では、「知られざる海生無脊椎動物の世界」と同時期に、特別展「大哺乳類展3-わけてつなげて大行進」も開催されます。この特別展では、脊椎動物門のうちの哺乳類にフォーカスし、「分類(=わける)」と「系統(=つなぐ)」をテーマに哺乳類の不思議に迫ります。

もちろん、その中にはイルカやアザラシといった海生哺乳類に関する展示も!目玉はカナダのロイヤルオンタリオ博物館からやってきた、シロナガスクジラの心臓の実物大レプリカ。さまざまな展示を通して、哺乳類という種の迫力に触れることができます。

この春は国立科学博物館へ

この春の国立科学博物館では、常設展示はもちろん、海生無脊椎動物や哺乳類についての展示を楽しむことで、地球上に生きるさまざまな生物の世界をのぞくことができます。ぜひ国立科学博物館へ足を運んでみてくださいね。

「知られざる海生無脊椎動物の世界」開催概要

企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」ポスター(提供:国立科学博物館)

企画展「知られざる海生無脊椎動物の世界」

【開催場所】国立科学博物館(東京・上野公園) 日本館1階企画展示室および中央ホール
【開催期間】2024(令和6)年3月12日(火)~6月16日(日)
【開館時間】9時~17時 ※4月27日(土)~5月6日(月)は19時まで
※入館は各閉館時刻の30分前まで
【休館日】月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)
※ただし3月25日(月)、4月1日(月)・30日(火)、6月10日(月)は開館
※休館日等は変更となることがあります
【入館料】一般・大学生:630円(団体510円)、高校生以下および65歳以上:無料
※本展は常設展示入館料のみでご覧いただけます
※団体は20名以上
※入館方法の詳細等については、ホームページで確認。
【主催】国立科学博物館
【特別賛助協力】船の科学館「海の学び ミュージアムサポート」
【特別協力】公益財団法人水産無脊椎動物研究所
【協力】東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所、長崎大学薬学部、ミュージアムパーク茨城県自然博物館

(サカナト編集部)

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