サカナをもっと好きになる

キーワードから探す
ニュース

日本の水産業が世界の食料課題に果たし得る役割とは? 書籍『日本の水産技術が世界の食糧危機を救う』刊行 

水産機械・生産ラインの設計・製造を手掛ける株式会社シー・テックの代表取締役である小野寺幸子氏による著書『日本の水産技術が世界の食糧危機を救う』が、8月28日に扶桑社から刊行されました。

水産資源の有効活用や流通技術を切り口に、日本の水産業が世界の食料課題に果たし得る役割を考察した書籍です。

日本の水産技術が世界を救う(提供:株式会社扶桑社)

水産業が抱える課題と技術の可能性

日本の水産業は、漁獲量の減少、担い手不足、消費者の魚離れ、海洋環境の変化といった課題に直面しています。

一方で、水揚げから選別、加工、冷凍、保管、流通までをつなぐ技術や仕組みは長年にわたり発展してきました。

本書は、こうした水産サプライチェーンの知見に注目し、魚を安定して消費地へ届けるための技術が、食品ロスの削減や食料供給の安定化にどう関わるかを取り上げています。

魚食文化が十分に定着していない地域では、調理方法が知られていない魚が活用されにくい場合があります。また、保存・加工・流通の設備が整っていない地域では、水揚げ後に品質が低下し、食料として利用されないケースもあります。

選別・冷凍技術と水産資源の活用

日本の水産業で培われてきた高速選別、急速冷凍、省人化などの技術についても紹介しています。

漁獲物の状態に応じて選別し、鮮度を維持したまま加工・保管・輸送する仕組みは、水産資源をより有効に活用するうえで重要な要素です。

小野寺幸子氏(提供:株式会社扶桑社)

著者の小野寺氏は、創業者である夫・小野寺政行氏の死去後に事業を引き継ぎ、水産資源の廃棄削減と食料課題への対応を事業テーマに設定。本書では、東日本大震災後の東北の水産業復興を支えた取り組みにも触れています。

海外展開を見据えた水産インフラの構想

本書は企業史にとどまらず、日本の水産技術を海外で活用する可能性も論じています。

特に、水産加工・保存技術を地域の食料インフラとして展開する構想を示している点に注目。水産技術と魚食文化が食料課題にどう向き合えるのかを考える一冊です。

※2026年9月7日時点の情報です

サカナト編集部

関連記事

PAGE TOP