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尾に”旗”を付けたエイ? 宮古諸島初となる<ツカエイ>が報告される

ツカエイ属の魚は尾に発達した「皮褶(ひしゅう)」を持つことが特徴のグループです。

世界で5種が知られおり、日本ではツカエイ1種のみが記録されています。また、国内における記録は奄美大島、沖縄島、西表島のみに限られていました。

そうした中で、Umios株式会社の畑瑛之郎氏と鹿児島大学の研究グループは、宮古島から得られたツカエイ属を標本に基づき報告しました。

この研究成果は『Ichthy, Natural History of Fishes of Japan』に掲載されています(論文タイトル:宮古諸島初記録のアカエイ科ツカエイ)。

尾に旗を付けたツカエイ属

ツカエイ属はアカエイ科の1グループで、尾に発達した旗のような構造「皮褶」を持つことから、容易にアカエイ科の他のグループと区別することが可能です。

世界では5種のツカエイが知られており、日本ではツカエイ Pastinachus ater 1種のみが知られています。

本種の分布はインド・西太平洋とされ、国内においては、奄美大島、沖縄島、西表島といった限られた地域のみから知られていました。今回、研究グループが報告したツカエイ属魚類は宮古島から得られた標本です。

宮古諸島初のツカエイ

研究グループが得られた標本について、形態学的な特徴を調べた結果では、尾部の背側面に皮褶がないこと、腹側面の皮褶が尾部末端まで達しず、その高さが尾の高さの3.0倍であることが明らかになっています。

宮古島(提供:PhotoAC)

この形態的特徴に加え、遺伝的特徴もツカエイ Pastinachus ater の特徴とよく一致していたことから、宮古島の標本はツカエイに同定されました。

宮古諸島におけるツカエイの記録はこの報告が初となります。

日本産とインドネシア産の差異

この研究では、宮古島産の標本の同定にあたり、インドネシア産のツカエイも2標本が用いられています。

その結果、日本産とインドネシア産のツカエイの間で、体盤の厚さや吻端から体盤最大幅までの直線距離などが異なることが判明。さらに、両産地の標本は体盤中央部の小瘤物の数と最大直径も異なっていることも確認されています(日本産は3個で、インドネシア産は4個)。

Last et al. (2016)の記載では小瘤物の数は通常4個とされており、若干の差異があったものの、熊田・檜山(1941)、檜山・安田(1972)が示した図では小瘤物の数は3個と、宮古島の標本の特徴とよく一致することが明らかになりました。

なお、日本でツカエイとされてきた個体群とインドネシア産標本に見られた形態的差異が、地理的変異なのかどうかは更なる調査が必要としています。

形態的差異の詳細は更なる調査が必要

今回の研究によって宮古島から得られたツカエイ属が形態的・遺伝的な手法に加え文献調査から、ツカエイ Pastinachus ater であることが明らかになりました。本種は宮古諸島における初の記録となります。

また、研究でも用いられたインドネシア産標本と日本産の標本で形態的差異があることも判明しており、これが地理的変異なのかどうかは、今後、更なる調査が必要とのことです。

(サカナト編集部)

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