海へ行くと必ずと言っていい程、見かけるフジツボ。
誰しもが知る生物でありながら、食べたことがないという人も少なくありません。
実は青森県ではフジツボが特産品として知らており、養殖も行われているのです。
フジツボとは
フジツボは海岸や磯で見られる固着性の生物の総称です。
この生物は潮間帯などで多く見られ、アカフジツボ、クロフジツボ、ミネフジツボ、外来種のタテジマフジツボなどが知られており、特にミネフジツボは大型になる種類です。
一見すると貝類のようにも見えますが、エビやカニ同様に甲殻類に分類されます。貝殻のように見える富士山型の殻は石灰質から成り、中に体が入っているのです。
フジツボは雌雄同体で一定期間の浮遊期を経た後に岩や人工物に固着、時にクラジやウミガメ等の大型生物にも固着し、一生をそこで暮らします。
フジツボは何を食べて生きている?
固着性の生物であるフジツボは一度、固着すると位置を変えることができません。
では、どのようにして食事をしているのでしょうか?
実はフジツボには蔓脚(まんきゃく)と呼ばれる特殊な器官が備わっており、これでプランクトンを捕食していることが判っています。
この特徴などからフジツボは蔓脚類と呼ばれるグループに分類され、このグループにはカメノテやエボシガイなどの固着性の生物が含まれます。
フジツボは厄介者?
そんなフジツボですが、当然、漁網や船にも固着します。船底に固着したフジツボは水流抵抗を増加させ、海で働く人々からはしばしば“厄介者”として扱われる存在です。
こういった生物は「汚損生物」と呼ばれており、フジツボの他にムラサキイガイやヒドロ虫などが該当。汚損生物による損害は膨大な金額であり、フジツボにいっては船底や漁網に防汚剤を使った対策が行われています。
また、かつて船底に使用されていた防汚塗料に含まれていた「有機スズ化合物」は深刻な海洋汚染をもたらすことから現在は使用が制限されています。
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