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種類に応じて適切な「餌」を用意

淡水魚の種類に応じて適した餌を与える必要があります。具体的にナマズやオヤニラミなどの動物食性の魚であればエビの仲間や小魚、コイ科の魚であれば小型の昆虫や付着藻類などですが、このような餌はなかなか入手できるものではありません。

幸いにも多くの淡水魚は配合飼料を食べてくれます。筆者はコイ科やドジョウ科の魚には2種類の配合飼料を与えています。

コイ科向けの配合飼料。小粒で小型魚にも最適(撮影:椎名雅人)

肉食性が強いオヤニラミなども、配合飼料に慣らすことができれば飼育は非常に楽になります。餌を与えすぎると水質悪化につながりやすいので、控えめに与えます。

コイ科の魚などであれば、野菜類を与えるのもよいでしょう。我が家ではカボチャやサツマイモ、豆類などを与えています。

扱いに注意が必要な「水草」

淡水水槽では水草水槽が流行していますが、水草は種類によっては強い光や定期的な二酸化炭素の添加が必要なものがいます。

熱帯魚屋さんで初心者向けの水草として売られているのを購入してもよいのですが、熱帯性の水草は日本の淡水魚にはあまり似合っていません。

水草水槽(撮影:椎名雅人)

日本にも生息する温帯のバリスネリアや、帰化水草であるアナカリス(オオカナダモ)などがよく似合います。また魚の種類によっては水草を食べてしまうこともあります。

メンテナンスと四季別管理

水かえは1週間から10日に1回。水槽の1/3ほどの水を抜き、カルキ抜きで塩素を中和した水か、バケツなどで1日ほどくみおきした水を足します。

夏季は水かえの頻度を多くするようにします。ろ過槽のメンテナンスは投げ込みろ過槽であれば1~2か月に1回、上部ろ過槽であれば3か月~半年に1回掃除をします。

水槽から水を抜く方法で一番使いやすいのは写真のようなホースを使用することです。

このようなホースを購入して水を抜くとよい(撮影:椎名雅人)

春と秋は水温が急変しやすく、病気が出ることがあるので電子式サーモスタットつきのヒーターを使用して水温を一定に保つようにします。

夏はクーラーが効いた涼しい部屋で飼育してあげたいところです。高水温だと魚の要求する酸素量も多くなり、酸欠で死んでしまうこともあります。

冬はエアコンをしていない場合や、屋外飼育の場合は餌の量を少なくするようにします。

魚飼育の心構え

飼育し始めた魚は最後まで飼育するようにしましょう。魚を放流するということは、現在では許されないアクアリウム最大のタブーなのです。

とある綺麗なタナゴを増やしたい、ということで各地にタナゴを放流したら在来のタナゴが激減してしまった、なんていうこともあります。もちろん「飼育していて大きくなって手に負えなくなった」から放流するというのは論外です。

放流する場所が採集した場所であっても、寄生虫がついていることがあったり、病気を広げるおそれもあるため、放流は行わず、終生飼育を楽しみましょう。そして終生飼育のために必要な機材や水槽で余裕のある飼育を楽しみましょう。

(サカナトライター:椎名まさと)

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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