アクアリウムの“コケ取り要員”としても定番の「ミナミヌマエビ」。当初、我が家の水槽にお迎えしたのは、わずか2匹でした。
水槽の引っ越しを機に、わさわさと生い茂る水草をかき分けてエビの様子を確認してみると、そこには予想だにしない光景が広がっていました。
1匹、2匹……いや、30匹はいる。水草の隙間にうごめく大量の稚エビたち。
エビ自体は好きだけれど、あまりに過密なその様子に戸惑いを覚えたのが正直なところです。
なぜ、ミナミヌマエビはこれほどまでに増えてしまったのでしょうか。
ミナミヌマエビが爆増した明確な要因
今回の件をきっかけに調べてみて分かったのは、ミナミヌマエビは「特定の条件がそろうと、爆発的に増えやすい生き物」だということです。
我が家の水槽で起きた事態には、いくつかの明確な要因がありました。
我が家の水槽(撮影:赤松かおり)まず、ミナミヌマエビのメスは、お腹に卵を抱えて守る習性があります。卵から孵化したばかりの稚エビは非常に小さく、通常であれば他の魚に捕食されることも少なくありません。
しかし、生存率を劇的に引き上げたのが、我が家の「育ちすぎた水草」でした。
水槽を覗くと……(提供:赤松かおり)わさわさと生い茂った水草は、稚エビにとって外敵の視線を遮る絶好のシェルターとなります。魚に食べられることなく成長できる“隠れ家”が豊富にあったことが、高い生存率に直結したのでしょう。
さらに、水温や水質が一定の範囲で安定していることも、繁殖を加速させる重要な条件です。
皮肉なことに、日々の水質管理がうまくいっていたからこそ、彼らにとって理想的な繁殖環境が整い、それが思わぬ形での「爆増」につながったようです。
稚エビが大量に……!(提供:赤松かおり)これから暖かくなる季節、水温が20℃〜24℃になると繁殖が活発になるそう。あまり増やしたくない人は気を付けてみてください。
ちなみに、同じくアクアリウムのコケ取り名人として知られるヤマトヌマエビは、稚エビの期間は汽水(淡水と海水が混ざった水)環境で育つため、見知らぬ間に爆増することはないそう。
繁殖を視野に入れていない場合は、最初からヤマトヌマエビをお迎えするのもひとつの手です。
ミナミヌマエビの「爆増」を防ぐには?
ミナミヌマエビの“爆増”問題はアクアリストについてまわる課題なのか、インターネットで調べてみるといくつかの対策が挙げられていました。しかし、実際に試そうとしてみると、課題も見えてきます。
この数を飼育するのは難しい……(提供:赤松かおり)まずは 、水温を下げて代謝や抱卵を抑える方法です。私の場合は既に生まれているので効果はありませんが、現在ミナミヌマエビを飼育している人は検討できる対策方法でしょう。
しかし、20℃~26℃で飼育すべき熱帯魚と同居している場合は、水温を下げすぎるのも非現実的だといえます。
次に、ミナミヌマエビと混泳している魚に食べてもらうことで、個体数を減らす方法。
しかし、我が家で飼育しているカージナルテトラは口が小さく、稚エビを食べられませんでした。ある程度大きい肉食の魚であれば、この方法はうまくいくかもしれません。
放流は絶対にやめよう
どれだけ困っても、「近所の川への放流」は厳禁です。
あらゆる生きもので同じことが言えますが、たとえ在来種であっても、飼育個体を放流することは避ける必要があります。生態系を乱すだけでなく、知らず知らずのうちにもっていた病気が自然界に広がってしまう可能性もあります。
「コケ取り要員」であっても飼育する前にしっかりと生態を調べること、そしてオス・メスのペアで飼育しないことなど、今思えば水槽に迎える前に“爆増”を対策することは可能だったな……と思います。
アクアリウムショップに相談してみると……
水温を下げる方法も混泳している魚に食べてもらう方法も難しく、ミナミヌマエビを購入したホームセンター内のアクアリウムショップに相談することにしました。
店員さんに相談してみると、「水質が違うので、引き取るのは難しい」とのこと。
しかし後日、気を取り直して次のショップへ。今度は、アクアリウム専門のショップです。
器具などを購入しつつ、恐る恐るミナミヌマエビのことを話すと、なんと「飼いきれなくなったら引き取ります」とのこと。
諦めなくて良かった…!
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