サカナをもっと好きになる

キーワードから探す

ニュース

軟体動物全733科を調査! <学名>の7割以上が“古典ギリシア語由来”であることが明らかに

東京大学総合研究博物館の吉村太郎博士は軟体動物全733科の科名を調査し、約7割が古典ギリシア語由来であることを明らかにしました。

この研究の成果は「Zoological Journal of the Linnean Society」に掲載されています(論文タイトル:Taxonomic Graecism: The historical hegemony of Ancient Greek and cultural bias in molluscan family nomenclature)。

学名の命名は著者の主観が大きく反映

学名は全世界共通の生物の名前です。一方、学名は著者の主観や時代背景が大きく反映されると考えられています。

軟体動物のイメージ(提供:PhotoAC)

またこれまで、特定の分類群では学名の偏りが研究されてきたものの、古典語の選択がどのような歴史的または社会的背景に基づくのか、定量的に分析した研究はほとんどなかったようです。

今回の研究では、18世紀から現在まで命名された軟体動物のうち、有効な773科について、語源の徹底的な調査が行われました。

7割以上が古典ギリシア語由来

分析の結果、語源が明らかになった学名のうち、78.1パーセントが古典ギリシア語に由来していることが判明。これに対し、ラテン語由来は26.1パーセントと、古典ギリシア語が大きく上回る結果となりました。

19世紀前半までは、ラテン語と古典ギリシア語の割合は拮抗していたようです。それが、19世紀後半になると古典ギリシア語が急増。現在は7割以上を占めるといった遷移パターンが確認されています。

さらに、学名をよりギリシア語らしく見せるため、不要な「h」を挿入する疑似的ギリシア語の事例も明らかになったほか、人名に因む学名では著者が自国の科学者を優先して称える傾向が強いことも判明しています。

多様な言語や文化を反映した命名習慣へ

今回の研究によって、軟体動物における科名の7割以上が古典ギリシア語に由来していること、19世紀後半に古典ギリシア語のシェアが急増したことが明らかになりました。

この結果は、命名の歴史に潜むバイアスを可視化し、より多様な言語や文化を反映した命名習慣へ進化させる基盤を提供するものとされています。

(サカナト編集部)

関連記事

PAGE TOP