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関東にも生息するカラフルな魚<オヤビッチャ> 実は美味しく食べられる?

カラフルな魚は沖縄などの南の島にいるイメージですが、実は関東の海でもカラフルな魚が生息しています。

その代表格のひとつであるオヤビッチャはスズメダイ科の1種で、体側の暗色横帯が特徴の魚です。

この記事ではオヤビッチャについてご紹介します。

オヤビッチャとは

オヤビッチャ(提供:PhotoAC)

オヤビッチャはスズキ目スズメダイ科オヤビッチャ属の海水魚。体長は17センチ程の中型種ですが、スズメダイ科の中では大きい部類に入ります。

成魚は沿岸の岩礁などに生息しますが、幼魚は汽水域にも出現することもあるようです。

オヤビッチャは日本各地に分布し青森県~沖縄県、小笠原諸島などに分布。本種は単独で泳いでいることもしばしばありますが、時に大きな群れを形成します。釣りにおいてもスズメダイに次いでよく見るスズメダイ科であり、群れがある場所で釣りをするとほぼ入れ食い状態です。

オヤビッチャの特徴は熱帯魚を彷彿とさせる色彩で、青みがかった白色、背側の黄色域、体側の5本の暗色横帯があることからオヤビッチャ属を除く他のスズメダイ科と容易に区別することができます。

また、雄の婚姻色は体色がやや濃くなるようです。

オヤビッチャに似た魚もたくさんいる?

ロクセンスズメダイ(提供:PhotoAC)

日本産のオヤビッチャ属は現在9種が知られており、いずれも体側に横帯を持ちます。

オヤビッチャ属は主に南方に多いグループですが、幼魚はしばしば関東に出現することも。本属の魚は模様が似ていることから混同されやすいですが、色彩が微妙に異なるため注意深く観察する必要があります。特に似ているのがオヤビッチャと Abudefduf nigrimargo でしょう。Abudefduf nigrimargo は2018年に台湾で得られた標本をもとに記載された魚です。後に本種は日本からも発見されアミメオヤビッチャの標準和名が与えられました。現在、アミメオヤビッチャはトカラ列島から知られています。

アミメオヤビッチャはオヤビッチャとよく似るものの、頬の鱗列の数や、鱗の後縁が暗色で網目状の模様になることから区別することが可能です。

ちなみにアミメオヤビッチャの名は鱗が作る模様に由来しています。

屋久島ではオヤビッチャを食べる?

オヤビッチャは日本各地の浅海に分布することや、比較的簡単に釣ることができるため釣り人であれば知らない人はいないでしょう。

一方、オヤビッチャを食べたことがある人は少なく、あくまでも釣りの外道として扱われることの多い魚です。しかし、スズメダイ科というだけあって味がよく、刺身や塩焼きにして食べると旨味を感じられて非常に美味なのです。

鹿児島県屋久島ではオヤビッチャを「へき」と呼び食用としている他、口永良部島では本種が「えらぶの魚」として親しまれています。梅雨明けの「へき釣り」は夏の風物誌でもあり、浅瀬にやってくる大型の個体を刺身や唐揚げで食べるそうです。

オヤビッチャのように一見、熱帯魚のような姿をした魚が関東でも普通に見られるのは驚きですね。「南の魚=美味しくない」というイメージを持っている方も少なくないですが、実際に食べてみると美味しい魚なのです。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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