10月4日が「イワシの日」だということはご存知でしょうか。
これは「イ(1)ワ(0)シ(4)」と読む語呂合わせからきているもので、大阪府多獲性魚有効利用検討会(大阪おさかな健康食品協議会)によって1985年に制定された記念日です。
今回は、そんな日本人にとって馴染みの深いイワシの知られざる「鱗」のヒミツを紹介していきます。
魚の鱗の役割を4つ紹介
そもそも魚にとって「鱗」とはなんのためにあるのでしょうか。鱗の役割は大きく分けて4つだといわれています。
ひとつめは、自分の体を保護するという役割です。かたい鱗を鎧のように身に纏うことで、外敵や寄生虫、岩肌などから身体を傷つけないようにする役割があります。

イワシ(提供:PhotoAC)
また、海水から身体を保護する役割もあります。海水の塩分は魚の体内塩分より濃度が高く、鱗がなければ浸透圧によって体内の水分が体表から出ていってしまいます。そのため鱗にはそれを防ぐ役割があります。
鱗の<守る>以外の役割
そして栄養分を蓄える部位でもあります。魚は鱗にミネラルやカルシウムを蓄えています。体内にあるミネラルやカルシウムが減ってしまった時には、鱗からそれらを補うことができるのです。
さらには、水流を感じとる重要な器官でもあります。魚の体の側面には、「側線」と呼ばれる鱗で構成された器官があります。側線は水の動きや水圧を感じ取ることができる器官で、群れでもぶつからずに泳ぐことができるのはこの鱗のおかげです。
つまり、魚にとって鱗とはまさに生きていく上で欠かせない存在なのです。そのため、ちょっとやそっとの力では抜けることがないように、鱗には「隆起線」と呼ばれるトゲのような突起物がたくさん並んでいます。
この大量の小さなトゲが体表に引っかかることで、一般的な魚は鱗が抜けにくくなっているのですが、なんとイワシにはこの隆起線にトゲがなく、簡単に身体から鱗が剥がれ落ちてしまいます。一体なぜなのでしょうか?
イワシの鱗は「おとり」になる!
イワシは、沿岸から沖合で大きな群れを作って暮らしている回遊魚です。大きな天敵から絶えず狙われているイワシは、食べられそうになるとなんと自ら鱗を剥がしてしまいます。
これを群れで一斉に行うことで、剥がれた大量の鱗が海中をただよい、太陽光を反射して輝くことで敵の目くらましにしていると考えられています。

イワシの群れ(提供:PhotoAC)
「鰯」は「水からあげるとすぐに弱ってしまう魚」という由来だなんていわれていますが、身を削ってでも生き残ろうとするその知恵や工夫を発達させた姿には、海の中を強く生き抜くたくましさを感じますね。
「いわし百匹、頭の薬」という言葉があるように、イワシには人間が体内で作ることができないEPAやDHAなどを多く含んでおり、生活習慣病の予防にも役立つと言われています。
ぜひ日常の食卓にイワシを取り入れてみてくださいね。
(サカナトライター:クボデラリョウスケ)