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婚姻色の真っ赤な体色が特徴的な<ベニザケ> 他のサケより高価な理由とは?

サケというと、どんな顔を思い浮かべますか?

鼻のまるい優しそうな顔でしょうか。それとも反り返った鼻のイカツイ顔でしょうか。

こわもてだけど、すごく美味しい。そんな「ベニザケ」という魚について注目していきます。

サケもいろいろ 主に流通するのは4種

ただ「サケ」と言ってもいろいろあります。

普段目にする切り身の姿からその違いを意識するのは難しいですよね。でも水族館や図鑑で生きている姿を目の前にすると、みんなそれぞれ結構特徴的です。

国内で流通しているサケは主に「シロザケ」「ベニザケ」「ギンザケ」「タイセイヨウサケ」の4種です。

この中で国内に生息するサケは、「シロザケ」と「ベニザケ」の2種のみなんです。

サケの供給は輸入に依存

一方、サケの供給の多くはチリやノルウェーからの輸入に依存しています。

サケは幕の内弁当やおにぎりの具、お寿司と食卓の代表ともいえる魚。ちょっと乙な方は鮭とばもかじったことがあるでしょう。

そんな身近な魚でありながら、多くははるか遠い海からやってきていたのです。

一般に流通するベニザケはロシア産か北米産の天然もの

ベニザケはその「ベニ」の名の通り、繁殖の時期になるとオスの胴体は真っ赤な婚姻色に包まれます。

身もほかのサケと比べると、紅色に鮮やかです。

ベニザケ(提供:PhotoAC)

中食産業でより広く利用されているのは、価格と供給量のバランスが安定してきたギンザケやシロザケの方で、当のベニザケと言えば、国内に少数が生息しているものの水揚げはほとんどありません。

また、養殖するすべも未だ確立されておらず、一般に流通するベニザケのほとんどが、ロシア産あるいは北米産の天然ものです。

ベニザケの切り身(提供:PhotoAC)

一方、ベニザケ以外のサケに関しても、シロザケは近年不漁続きで漁獲量は低迷しています。

養殖が主のギンザケについても、アンチョベータ(ペルー産カタクチイワシ)の不漁に起因する魚粉価格の高騰により低価格安定供給の点では向かい風と言えます。

日本にすむベニザケ

ベニザケもほかのサケに漏れず、淡水で生まれて海で育ち、ふるさとの川で繁殖する生活史を持つ魚です。この生き方を降海型といいます。

現在、日本国内にはベニザケが恒常的に遡上する川はありません。しかし、青森や北海道のごく一部の湖や河川に生息しているといわれています。

陸封型のサケ<ヒメマス>(提供:PhotoAC)

一生淡水に閉じこもる生き方を、降海型とは対照的に陸封型といいます。ベニザケの陸封型は「ヒメマス」と呼び、このヒメマスたちは、かつて養殖を試みて放流されたベニザケたちの末裔たちだそう。

一口に「サケ」といっても、様々な種、そして由来をもったサケがいるのです。皆さんも、普段口にしているサケについて少し気にしてみてはいかがでしょうか。

(サカナトライター:りかえもん)

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