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クリーニングステーションで見られるボディケアするマンタ

ナンヨウマンタは、流れに逆らってホバリングする様子が観察されますが、これは“クリーニングステーション”でみられる典型的な行動です。

クリーニングステーションとは、マンタなどの大きな水生生物が、小魚などに寄生虫や古くなった皮膚を掃除してもらう場所。サンゴ礁などのなかで小高くなった場所がクリーニングステーションになる傾向があり、マンタウェイでもそういった地形がみられます。

また、マンタを含む軟骨魚類の仲間では、排泄の際に腸の一部を体の外に出す「腸洗い」もみられます。その名のとおり、残りカスや寄生虫を洗浄していると考えられています。

舞い踊るマンタ?

ナンヨウマンタの最も神秘的な行動は、多い時には10匹以上のマンタが列になって泳ぐ「乱舞」でしょう。

これは主に春から夏にかけてみられる繁殖行動で、先頭のメスをオスたちが追尾しているのです。その様子から“マンタトレイン”とも呼ばれ、普段は悠々と泳ぐ彼らもこの時は激しく泳ぎまわります。

巨大生物が舞い踊る光景は、理屈を飛び越えて生命の神秘を感じさせます。

日本の海でこんなダイナミックな生命のドラマが繰り広げられていると考えると、楽しくなってきますね。

(サカナトライター:浅川 千)

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浅川 千

浅川 千

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研究者を志して進学した大学で旅の魅力にとりつかれ、あれよあれよと脱線。サイエンスと人間文化の両面で自然の魅力を発信することが使命です。魚は見て楽しむべきか食べて楽しむべきか、それは永遠の課題……。

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