石垣さんが目指す「世界一のサプライヤー」の原点
━━石垣さんが掲げる「世界一のサプライヤーになる」の言葉には、どのような思いが込められていますか?
私にとって水族館は単なる「お客さん」ではなく、共に生き物の命を守る「パートナー」です。
送り届けた生き物が水族館で長く生き、繁殖し、次の世代へ命を繋いでいく──その魅力が来館者に伝わることも含めて「海の手配師」としての仕事です。
事務所内に掲げられた言葉(撮影:taku)━━その考え方に行きつくきっかけはありましたか?
2000年に開催されたモナコの世界会議で、業界のパイオニア『フォレスト・ヤング』の発表を聞いたことがきっかけです。彼はボンネットヘッドシャークの輸送・飼育に「すべて失敗した」と発表していました。
なぜそんなネガティブな発表をしたのかと聞いてみると「お前は何年この仕事をするつもりなんだ?」と言葉を残して去っていったんです。そのひと言に、頭がまっ白になるほどのショックを受けました。
彼は魚を右から左へ流して売るのではなく、パートナーとして失敗談も含めて正確な情報をシェアしていたわけです。生き物が長く生きて、次世代まで増えていくことを目指していました。
━━それが「世界一のサプライヤー」を目指す原点に?
私が起業した当初、フォレスト・ヤングと同じゴールを目指していたことに気づかされました。
そこで、世界一信頼される魚の供給業者(サプライヤー)になると心に決め、文字として見える形に残しています。
輸送トラックにさかなクンが描いたイラスト(撮影:taku)「世界一」という言葉の意図は、売上のNo.1ではありません。
扱いが難しい生き物のオファーでも、まず相談したいと思われること。「この人に頼んでダメだったら諦めよう」と思われる存在になることが、本当の揺るぎないNo.1だと思っています。
当たり前の裏側にある海と人をつなぐ仕事
どこかの海で魚を見つけた人、酸素や水温を調整しながら運んだ人、到着後に水槽へ迎え入れた人。水槽で泳ぐ生き物たちの裏側は、石垣さんのように海と人をつなぐ仕事によって支えられています。
ブルーコーナーを案内していただいた際には、実際に出荷する生き物のパッキングを見せてもらいました。生き物の種類にあわせて、袋の大きさや保護の仕方などを変えていることも知りました。
石垣さんにお話を伺い、水族館で見ていた水槽の景色が当たり前ではないことに気づきました。水族館に行く機会があったら、水槽で泳ぐ魚が「どこから来たのかな」と少しだけ想像してみてください。
(サカナトライター:taku)
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