北海道登別市の水族館「登別マリンパークニクス」で展開されている没入型空間コンテンツ「Wonder Box 360」が、「デジタルサイネージアワード(DSA)2026」で優秀賞を受賞しました。
幻想的な海洋世界を体感できるイマーシブコンテンツとして評価され、ストーリー性や技術面での完成度の高さが注目を集めています。
五面LEDが生み出す没入型体験
「Wonder Box 360」は、FRACTO株式会社が制作した没入型空間。幅4メートル、奥行き7メートル、高さ3メートルの空間を5面のLEDディスプレイで構成し、リアルタイムで生成される映像を投影しています。
設置場所は登別マリンパークニクス内のニクス城2階で、来場者は映像を鑑賞するだけでなく、映像空間の中に入り込むことで、物語の世界を進んでいくような体験を楽しめます。
Wonder Box 360(提供:加森観光株式会社)コンテンツのテーマは「冒険」で、豊かな自然に囲まれた架空の無人島を舞台に、川沿いを進みながら未知の世界へと向かうストーリーが展開されます。その後、水中世界へと場面が移り、空想上の生物が暮らす幻想的な海中空間や、ファンタジー世界のニクス城が登場します。
自然の風景を再現したリアルな表現とデジタル技術による演出を組み合わせることで、現実と空想が交差するような体験を実現している点が特徴です。
ストーリー性と技術力を高く評価
DSAの審査では、VRゴーグルを使用せずに高い没入感を実現している点や、現実世界から幻想世界へと移行するストーリー構成が評価されました。
また、五面LEDによる映像表現に加え、音響や空間演出を組み合わせることで、「その場にいる」と感じられる体験の質が高い点も評価。さらに、湿気の多い環境での運用を考慮した防湿性や耐久性への配慮など、安定稼働を支える技術面も高く評価されたといいます。
Wonder Box 360(提供:加森観光株式会社)審査員からは、デジタルコンテンツでありながら制作者の意図や物語性が感じられる点や、施設として高い完成度を備えている点を評価するコメントが寄せられました。
デジタルサイネージアワード2026で表彰
DSAは、一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが主催する表彰制度。デジタルサイネージ市場の発展と活性化を目的に毎年実施されており、優れたコンテンツやシステム、ハードウェアを表彰しています。
2026年度は2025年1月以降に発表された作品を対象に審査が行われ、グランプリ1作品と複数の優秀作品が選出。受賞作品は2026年6月10日に幕張メッセで開催された「デジタルサイネージジャパン2026」で発表されました。
今回の受賞は、水族館におけるデジタル技術活用の新たな事例として評価されたものであり、映像鑑賞にとどまらない体験型コンテンツの可能性を示す取り組みとして注目されそうです。
(サカナト編集部)