ひとり旅と京都水族館
「しばらく京都に滞在するから遊びに来ない?」というメッセージが友人から届いたとき、すぐに京都行きを決めた。1日目はひとり旅、2日目は友人と合流し京都を案内してもらうという流れになった。
そこで「ひとり水族館」チャンスを逃すまいと、1日目に訪れた場所が京都水族館だ。
入館すると「京の川」という京都の鴨川を表現した水槽に迎えられる。ここでは、複数のオオサンショウウオを見ることができる。みんなで重なってじっと休んでいる光景が面白い。
もう少し、ゆとりを持って休めばいいのに……と思ってしまうが、夜行性で暗がりに集まる習性があるため、ぎゅうぎゅうに重なっているようだ。うっかり写真を撮りそびれてしまったので、気になる方は調べてみてほしい。
京都水族館でとても嬉しかったのが、ケープペンギンとの距離の近さ。
ケープペンギン(撮影:花浜紫檀/撮影場所:京都水族館)水を弾く毛並みの質感までしっかりわかる。いつか撫でてみたい。観客の近くで休んでくれてありがとう。
幻想的なクラゲ展示「クラゲワンダー」にも魅了された。
クラゲワンダー(撮影:花浜紫檀/撮影場所:京都水族館)ずらっと並ぶミズクラゲの水槽が美しい。こんな風に空間ごと、少し遠くから水槽を眺めるのも好きだ。
わたしが訪れた期間には「くらげのあかりたち」というクラゲランプの展示イベントが開催されており、一つひとつ形の違うランプのあたたかみに見惚れた。
クラゲランプ(撮影:花浜紫檀/撮影場所:京都水族館)なんとなく、東京都のすみだ水族館と似ている気がするなぁと感じたので調べてみると、運営元が同じである姉妹施設だと判明。若干、得意げになる。
すみだ水族館は都内でも特に好きな水族館のひとつだ。何度も訪れているが、そういえばひとりでは行ったことがないので今度ふらっと行ってみよう。
京都水族館に話を戻す。驚いたのは、いきものの名前が平仮名で表されているところだった。
ひらがな表記のくらげたち(撮影:花浜紫檀/撮影場所:京都水族館)角ばっていない平仮名で読むと、やわらかい印象を受ける。いきものの名前を平仮名で表している水族館は、記憶上初めてだった。こういった展示構成に注目するのも楽しい。
「ひとり水族館」には、自分の好きなペースで回ることで生まれる発見や学びがあると思う。
まだ肌寒い3月の京都の凛とした空気を感じながらホテルに向かった。
ゆったりと流れる水族館の記憶
今回紹介した4つの水族館にまつわる記憶は、当時の感情ごと、わたしのなかでゆったりと流れ続けている。
生命の起源である海。生まれる前に浸かっていた羊水。水族館に行くと安心できるのは、DNAに刻まれた本能によるものなのかもしれない。
あなたもたったひとりの心と身体で、青い世界への扉を開けてみてほしい。

はなはま・したん●1998年、神奈川県生まれ・在住。歌人・エッセイスト。
水族館好きを公言していたところ、知人の紹介で『サカナト』と出会う。一番好きなクラゲはパープルストライプドジェリー。行ってみたい水族館は静岡県の沼津港深海水族館。
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