クロホシマンジュウダイの幼魚に出会う
クロホシマンジュウダイは、漁業関係者や魚市場においてはあまりなじみはない魚かもしれませんが、先述の通りアクアリストには古くから知られていたグループです。
クロホシマンジュウダイの幼魚2007年には高知県の河川の汽水域ではじめて採集を行い、その際に、様々な魚を採集することができたのですが、その中でもうれしかったのがこのクロホシマンジュウダイ。河川に沈んだ葉っぱつきの細い枝を網で掬うと、その中にまん丸のクロホシマンジュウダイが2匹も入っていたのです。
1匹は、体側に黒い横帯がある個体でした。この横帯模様は水底に沈んだ枝の合間に潜み外敵から逃れるのに都合がよいのかもしれません。背中の方が赤く染まるのも美しいです。
上写真の幼魚よりも大きな個体(提供:椎名まさと)もう1匹の個体は体側の横帯が消えかけ、黒色斑点が現れた個体でした。やがて大きくなると、もっと体高が高くなり、背中の赤色は消失し、体が銀色を帯びるようになります。
死滅回遊魚として飼育されることもあるのですが、成魚では全長30センチを超えるくらいになることを考える必要があります。そうでなければ、もてあますことになってしまいがちです。
終生飼育できるか、よく考えてから持ち帰り、一度飼育した魚は最後まで面倒を見るようにしましょう。
飼育水は海水または汽水で、人工海水をカルキ抜きした水に溶かして作る必要があります。また、底砂もサンゴ砂などを使用してアルカリ性を保つようにします。
ヘンテコな名前だけど美味しい魚
クロホシマンジュウダイはヘンテコな名前をしてはいるものの、とても美味しい魚です。
もし新鮮で、きれいな場所で手に入ったクロホシマンジュウダイを入手できたのであればぜひとも食べて見てほしいと思います。ただし、さばく際には、有毒の鰭棘に注意しましょう。
今回のクロホシマンジュウダイは長崎県の石田拓治さん(マルホウ水産)より購入しました。ありがとうございました。
(サカナトライター:椎名まさと)
参考文献・参考URL
中坊徹次編. 2013.日本産魚類検索 全種の同定 第三版.東海大学出版会.秦野.
中坊徹次編. 2018. 小学館の図鑑Z 日本魚類館.小学館.東京.
Nelson J.S., T.C. Grande and M. V. H. Wilson. 2016. Fishes of the World Fifth Edition. John Wiley & Sons. New Jersey.
岡村 収・尼岡邦夫編・監修. 1997.日本の海水魚. 山と渓谷社.東京.
冨山一郎・阿部宗明・時岡 隆.1958.原色動物大圖鑑2巻.脊椎動物魚綱・円口綱,原索動物.北隆館,東京.
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