滋賀県草津市にある滋賀県立琵琶湖博物館で9月12日から、希少な淡水魚・アユモドキをモチーフにした「アユモドキベンチ」が展示されています。
同館の30周年記念企画展示「博物館はタイムマシン-魚類学者がみた琵琶湖-」の会場に設置されており、アユモドキにまたがって記念撮影ができるほか、魚類標本を3D画像で観察できるコンテンツも公開されます。
絶滅が危惧されるアユモドキをモチーフに
アユモドキは日本固有の淡水魚で、シーボルトが日本から持ち帰った標本をもとに学名が付けられた魚です。
現在は絶滅危惧IA類に分類され、国の天然記念物にも指定されています。生息地は岡山県と京都府の一部に限られており、滋賀県では1992年以降、野生個体が確認されていません。
今回完成したベンチは、こうしたアユモドキの存在や保全について考えるきっかけとして制作。魚の形をしたベンチにまたがって撮影できるため、親しみやすい展示を通じて希少な生きものへの関心を高める狙いがあります。
アユモドキベンチ(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)ベンチは株式会社木下カンセーから寄贈され、企画展示室内の「令和コーナー」に設置。ベンチには、将来的に滋賀県の水辺で再びアユモドキが見られる環境を取り戻したいという思いが込められています。
タイプ標本を3D化、さまざまな角度から観察可能に
会場では、学術的に重要な「タイプ標本」を中心とした魚類標本の3D画像も公開。タイプ標本は新種の記載などの基準となる標本で、実物を自由に手に取ることはできませんが、3D化することで画面上からさまざまな角度で細部を確認できるようになります。
ビワマスやヨドゼゼラ、ニホンイトヨ、スナゴカマツカ、ナガレカマツカ、コイの咽頭歯など、さまざまな淡水魚の標本を観察することが可能。また、現在では多様性が失われてしまったヒガイ類についても、カワヒガイやビワヒガイ(ツラナガ)、ビワヒガイ(トウマル)、ビワヒガイ(ヒガイ)の標本が3D化されています。
3D画像の例:国立科学博物館所蔵ビワヒガイ(ツラナガ)(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)展示室の二次元コードから、スマートフォンなどで3D画像を閲覧可能です。
さらに、9月15日からは「新・琵琶湖のお魚ポスター」の限定配布も開始。企画展示を訪れてアンケートに回答した人を対象に、平日限定で配布される予定。配布数は2,000部で、なくなり次第終了です。
お魚ポスター イメージ(提供:滋賀県立琵琶湖博物館)企画展示「博物館はタイムマシン-魚類学者がみた琵琶湖-」は、11月23日まで開催されます。
会場は琵琶湖博物館企画展示室で、開館時間は9時30分から17時まで、最終入館は16時です。企画展示の観覧には、別途常設展示の観覧料が必要です。
イベントについて、詳しくは琵琶湖博物館の公式ホームページに掲載されています。
※2026年9月29日時点の情報です
(サカナト編集部)