「ナガラミ」と呼ばれる貝の仲間は、身近なスーパーでも時々販売していることがあります。
出会うことができたならラッキーなのですが、あまり聞き馴染みがないという人もいるかもしれません。何も知らなければ、「この貝はなんだろう?」「あまり見ないということは、人気がないのかな」と手に取らずスルーしてしまうはず。
このナガラミ、見つけたらすぐに買うことをおすすめします。
ナガラミは巻貝の一種
ナガラミは外海に面した浅い砂地に生息する巻貝です。見た目はまるでカタツムリのような姿をしています。
標準和名はダンベイキサゴといい、ニシキウズガイ科キサゴ属に属する貝です。殻の大きさは直径3センチから4センチほどで、平たくて丸みを帯びており、表面はツルツルとしています。
ナガラミ(提供:PhotoAC)盛り上がっている面は青みがかった灰色や茶色をしていて、殻のうずに沿って幾何学模様のような白や黒、茶色のラインが入っていることもあります。一方の裏側は、平らで白っぽい色をしています。
見た目は地味ですが、手に持ってみるとコロッとしていて、どこか愛着がわいてくる貝です。
旬は春から夏の暖かい時期。おもな産地としては、千葉県、愛知県、神奈川県などで、特に神奈川県藤沢市では特産品にもなっています。
漁獲される時期は地域によって異なります。たとえば、千葉県の鴨川湾では冬に漁獲されるため、旬ではない冬でも流通していることがあります。
なんで「見かけたらラッキー」なのか?
ナガラミは漁獲が減少傾向にあり、産地も限られているため広く流通しているわけではありません。
千葉県の沿岸重要水産資源令和7年度資源評価によると、ナガラミは1980年代から1990年代後半までは、増減を繰り返しながら年間400トンから1000トン前後の漁獲がありました。
しかし、その後は減少し続け、2016年頃には約150トンまで回復したものの、再び減少し2024年は53トンだったことが報告されています。
現在は資源管理のために、禁漁期間の設定や漁獲サイズの制限、資源保護区域の設定や、小型の貝の放流などさまざまな対策が行われています。
こうした背景から、現在においては、スーパーなどでナガラミを見かけたらラッキーだと言えるのです。
ナガラミはおいしい貝 クセがなくコリッとした食感
5年ほど前に筆者がスーパーの鮮魚コーナーで働いていた際、高齢のお客様から「ナガラミはおいしい貝だよ」と伺いました。
当時、ナガラミを食べたことがなかった私は、自分でも買って食べてみることにしましたが、食べる前は貝の身が黒っぽいこともあり、「本当にこれ美味しいの?」と疑問に思ったものです。
ナガラミの煮つけ(提供:PhotoAC)実際に食べてみると、貝独特の匂いやクセがなく良い磯の香りがします。コリッとした食感で、食べたら止まらないタイプの貝でした。
肝は人によって好みがあると思いますが、苦みはなく濃厚なうま味があり、おかずの一品に向いています。
ナガラミの下処理方法
ナガラミは砂地に生息しているため、アサリと同じように下処理をします。
ボウルに海水に近い塩水を作りナガラミを入れ、アルミホイルなどでふたをして暗所で数時間ほど砂抜きをするといいでしょう。
砂抜きが終わったら流水でよく洗いましょう。こうすることで砂を噛んでいる可能性を下げることができます。
また、近年は「砂抜き済み」として販売されているものもあります。その場合は一度ざるに移し、流水で何度か両手で貝どうしをこすり洗いして表面の砂を落とす程度でも問題ない場合もあります。
ナガラミは塩ゆでがおすすめ
味や匂いにクセがないナガラミは、簡単でシンプルな塩ゆでがおすすめです。
まず、海水に近い塩水を作り、火にかける前からナガラミを入れます。好みに合わせて、昆布や酒、生姜などをいれるのも良いでしょう。
沸騰するまで温めていき、沸いたら火力を弱めて3分から5分ほどゆでます。この時あくが出てくるので、ていねいに取りつつ、じっくり煮ましょう。
ゆであがったら皿に盛り付けて完成です。
ナガラミの塩ゆで(提供:PhotoAC)ポイントは水から煮ること。沸騰した状態から煮てしまうと身が固くなってしまいます。
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