ピンノのいろいろ
ピンノにはいろいろな種類がおり、寄生する貝もそれぞれ異なっている。カギヅメピンノはオオシロピンノと同じく日本ではポピュラーなピンノであり、ムラサキイガイ、バカガイ、ヒオウギガイなどに寄生する。
アサリにはオオシロピンノのほかにもアサリピンノというアサリ専属のピンノがいる。シジミピンノはヤマトシジミに寄生し、鹿児島県川内川、熊本県菊池川でみられる珍しい川のピンノである。サザエピンノはチョウセンサザエの胃の中に住むという、かなり特異な生態をしたピンノである。
他にもいろいろなピンノがいるので、興味がある方はぜひ調べていただきたい。
ピンノと人間のかかわり
ピンノは上述のように貝の成長を阻害することから、漁業労働者には嫌われている。
オオシロピンノによってアサリの実入りが悪くなったことも実際に起きているという。また、単純に見た目があまりよくないので敬遠されることがある。
一方で、貝から出てきた珍しいカニとしてかわいがられ、ごくまれながらペットとして飼育されることもあるらしい。ピンノは貝の外でも餌を与えれば生きていくため、実際に飼育は不可能ではない。
今回の記事が味噌汁やお吸い物を飲むときの楽しみの一つとなれば幸いである。
参考文献:酒井恒『蟹 その生態の神秘』講談社
(サカナトライター:宇佐見ふみしげ)
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