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ハタタテダイとムレハタタテダイの見分け方

ハタタテダイムレハタタテダイは非常によく似ており、実際にムレハタタテダイはかつてハタタテダイと同種とされていたため、現在でも混同されていることが多いようです。

まず、背鰭の棘条数に違いがあります。ハタタテダイは背鰭棘条数が11であるのに対し、ムレハタタテダイは12~13(ふつうは12)であることにより見分けられます。

ハタタテダイの背鰭棘数はふつう11(提供:椎名まさと)

ムレハタタテダイの背鰭棘数はふつう12(提供:椎名まさと)

また、頭部腹面の外郭、いわゆる胸部といわれるところで、頭部と腹鰭の間の縁がハタタテダイでは直線的ですが、ムレハタタテダイは膨らんでいるのが特徴です。

ハタタテダイの頭部腹面外郭(提供:椎名まさと)

ムレハタタテダイの頭部腹面外郭(提供:椎名まさと)

色彩的な特徴では両種はほとんど見分けられませんが、ハタタテダイは臀鰭の黒色域が通常最長軟条まで達しないのに達し、ムレハタタテダイでは臀鰭の黒色域が通常最長軟条にまで及ぶことで見分けられます。

ハタタテダイの臀鰭(提供:椎名まさと)

ムレハタタテダイの臀鰭(提供:椎名まさと)

一方、水中で写真を撮影するダイバーは、ハタタテダイとムレハタタテダイを吻の長さで識別しているようで、吻が突出するのがハタタテダイ,短いのがムレハタタテダイといいます(成魚に限る)。

ハタタテダイの吻(提供:椎名まさと)

ムレハタタテダイの吻(提供:椎名まさと)

また、単独から数匹でいるのがハタタテダイ、大きな群れでいるのがムレハタタテダイとされています。しかしどの見分け方も例外的なものもいますので、上記の特徴を組み合わせて同定するのがベストといえるでしょう。

なお、上記のハタタテダイとムレハタタテダイの見分け方、というのは原則として成魚の見分け方になります。幼魚は背鰭棘条数などで同定するべきでしょう

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椎名まさと

魚類の採集も飼育も食することも大好きな30代。関東地方に居住していますが過去様々な場所に居住。特に好きな魚はウツボ科、カエルウオ族、ハゼ科、スズメダイ科、テンジクダイ科、ナマズ類。研究テーマは魚類耳石と底曳網漁業。

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