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地域によってはメバルと言えばこの魚? 日本海側ではバチメと呼ばれる<ウスメバル>

日本にはメバルの仲間が多く生息しており、そのほとんどが食用として流通します。

ウスメバルと呼ばれる魚は最もポピュラーなメバル類のひとつで、メバルと言えば本種を指す地域も少なくありません。

この記事ではウスメバルについてご紹介します。

ウスメバルとは

ウスメバル(提供:PhotoAC)

ウスメバルはメバル科メバル属に属する中型魚。本種の寿命は10年以上、3年程で成熟し体長30センチ程になります。

一般的なメバル(クロメバル・シロメバル・アカメバル)と比較すると深場に生息することから「オキメバル」とも呼ばれる魚です。「オキメバル」の名は漁業関係者も多用していることから、こちらの方が通りがよい場合も少なくありません。

本種の分布域は北海道~相模湾、日本海側、朝鮮半島など広域にわたり、各地で定置網や釣りでの漁獲があります。

よく似たトゴットメバル

メバル属の魚は日本に30種以上が知られており、見た目が似ることから区別するのは容易ではありません。

トゴットメバルはウスメバルによく似たメバル属であり、同じく「オキメバル」と呼ばれる魚です。

ウスメバルとトゴットメバルの違いは側線有孔鱗数の他、体側の斑紋から識別することが可能であり、トゴットメバルは斑紋がはっきりしているのに対してウスメバルでは斑紋がやや不明瞭になります。

トゴットメバル(提供:PhotoAC)

一説にはウスメバルの名前の由来はトゴットメバルよりも斑紋が薄いからとも考えられていいるようです。一方、トゴットメバルの由来ははっきりとしていないとか。

トゴットメバルとウスメバルの違いは模様だけではなく、分布域や生息する水深にも表れています。

ウスメバルは日本海及び、北海道~相模湾に分布しますが、トゴットメバルは九州まで見られ、2種の分布が重なる相模湾ではウスメバルとトゴットメバルの両方が漁獲されるようです。

また、生息水深ではトゴットメバルの方が浅場に生息し、ウスメバルでは水深100メートル程に生息しています。

ウスメバルは「春告魚」

日本各地に分布するウスメバルですが、日本海側や青森県が産地として知られており、石川県では「ヤナギバチメ」の名で親しまれています。ここでいうバチメ・ハチメとはメバル類を指す言葉で、本種の他に○○バチメの名で呼ばれるメバル類が多数存在します。

ウスメバルの煮付け(提供:PhotoAC)

「ヤナギバチメ」は石川県の春のプライドフィッシュに選定されており、春に旬を迎えることから「春告魚(はるつげうお)」としても有名です。

同じく日本海側に位置する新潟県でも「タカナバチメ」と呼ばれ人気が高い魚です。タカナバチメの煮付けは新潟県のちょっとした郷土料理であり、大きな個体を醤油、みりん、砂糖で煮付けにしたものは絶品だとか。

ウスメバルはメバル類の中でも比較的流通量が多く、都内の関東の魚屋でも普通に見ることができます。値段はやや高いものの味は非常に良いので一度食べてみてください。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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