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高知県・四万十川で食べられる「川エビ」の正体 美味しく食べるにはシンプルが一番?

高知県・四万十川には「川エビ」と呼ばれるエビがいます。それがテナガエビの仲間です。

四万十川で獲れるテナガエビ類の紹介と見分け方、絶品料理についてまとめました。

四万十川のテナガエビ類について

日本ではいくつかのテナガエビの仲間が知られていますが、このうち四万十川に生息するテナガエビ類はテナガエビヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエエビ)ミナミテナガエビの3種類です。

それぞれの種で川の中下流域で棲み分けをしています。

テナガエビ

テナガエビ(学名:Macrobrachium nipponense)は、河口付近の流れの緩やかな場所や湖沼(陸封型)の砂泥底に生息します。

テナガエビ(提供:PhotoAC)

体長10センチほどになるエビで、その名の通り手が長いことが特徴。オスのハサミを入れた長さは約20センチにもなります。

ヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエビ

ヒラテテナガエビ(学名:Macrobrachium japonicum)は、別名「ヤマトテナガエビ」とも呼ばれます。体長8センチほどになるエビで、腕が長く太いことが特徴です。

ヒラテテナガエビ(提供:PhotoAC)

河口から8~100キロ程度の少し流れが速い礫底に生息することが他の2種とは異なります。

ミナミテナガエビ

ミナミテナガエビ(学名:Macrobrachium japonicum)は、体長10センチほどになるエビで、腕が長いことが特徴です。

ミナミテナガエビ(提供:額田善之/撮影場所:四万十川学遊館あきついお)

河口から50〜70km程度のやや流れのある場所の砂泥底に生息します。

3種のテナガエビの見分け方

3種のテナガエビの中ではヒラテテナガエビの腕がかなり太く見分けやすいでしょう。また、ヒラテテナガエビの第3腹節の背中側には黒または白の模様があるのが特徴です。

テナガエビとミナミテナガエビの見分け方は、エビの頭胸部である頭胸甲(とうきょうこう)の側面の模様がわずかに異なります。テナガエビでは3本の横縞の真ん中が少し曲がっていますが、ミナミテナガエビでは曲がりはありません。

また、ミナミテナガエビは少し流れがある場所に生息するため、テナガエビよりも足の爪が短いのが特徴です。

なお、個体差があるため、総合的に判断する必要があります。

四万十の絶品川エビ料理

四万十川の絶品川エビ料理といえば、テナガエビのプリプリ食感を堪能できる素揚げや塩ゆで、塩焼きなどが挙げられます。

また、郷土料理として、きゅうりと川エビの煮物が地元で食べられているそうです。

まるでスナック菓子<素揚げ>

テナガエビの素揚げは、下処理をしたテナガエビに塩こしょうをまぶして油でカラッと揚げたシンプルな料理です。

テナガエビの素揚げ(提供:PhotoAC)

テナガエビのもちもち食感と殻のパリパリ感がとてもよく、手が止まりません。まるでスナックのように食べられます。お酒のアテにもぴったりですよ。

シンプル イズ ザ ベスト<塩ゆで>

下処理をしたテナガエビを塩ゆでしただけの“シンプル イズ ザ ベスト”の料理です。

テナガエビの塩ゆで(提供:額田善之/撮影場所:いわき食堂)

テナガエビの身のプリプリ感と殻のバキバキ感が最高のハーモニーを醸し出します。「これは旨い!」の一言に尽きるでしょう。

四万十の川エビの漁期は4〜8月 禁漁期も冷凍ものを提供

四万十川では資源保護のため、禁漁期を設けています。漁期は4月1日から8月31日まで、9月1日から3月31日までは禁漁となります。

禁漁期でも、冷凍した川エビを使うことで料理を提供してくれるお店もあるので、確認して訪れましょう。

(サカナトライター:額田善之)

参考資料

一般社団法人 四万十市観光協会-テナガエビ

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額田善之

額田善之

人生を楽しもう!

愛媛大学理学部生物学科卒の生粋の生き物大好きライターです。特に魚が好きで、子どもと水族館巡りや釣りを楽しんでいます。オートバイで旅をして産地の珍しい魚を食べるのも趣味です。旅行や納豆の記事をよく書きますが、今回から水生生物についても執筆していきますので、よろしくお願いいたします。

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