長野県の伊那谷に伝わる伝統食材「ざざむし」を知っていますか?
古くから昆虫食が盛んである長野県において、「ざざむし」は冬の風物詩にもなっています。
ざざむしとは?
ざざむし(ざざ虫・ザザムシ)は、伊那谷の天竜川に生息するトビケラ、カワゲラ、ヘビトンボ(学名:Protohermes grandis)などの食用となる水生昆虫の幼虫の総称です。
なお、これらの3種だけではなく、食用にされるいくつかの水生昆虫の幼虫を指します。
例えば、環境変化でカワゲラ目の個体数が減少しているため、ヒゲナガカワトビケラ(学名:Stenopsyche marmorata)は近年、ざざむしの主流となっています。
ヒゲナガカワトビケラの幼虫(提供:PhotoAC)ざざむしは川底の石の下や砂などに潜んでおり、成長すると水面で羽化し、川から飛び立つのが特徴。このため、ざざむしは魚や鳥の恰好のエサとなり、羽化前後には魚や鳥が水面付近のざざむしを狙って集まります。
<ざざむし>の名前の由来
川の浅瀬では「ザーザー」と水の流れる音がしますが、このような場所でたくさん獲れることが「ざざむし」と呼ばれる由来の一つと言われています。
また、川の浅瀬を「ザザ」と呼ぶことから、「ザザ」にいる虫ということで「ざざむし」となったという説もあるそうです。
どちらも名前の由来は単純ですが、分かりやすくていいですね。
ざざむしはどこで購入できる?
ざざむしは厳冬期(12〜2月)だけに漁が行われるため、冬が旬です。ただ、生では食べないため、佃煮に加工後、瓶詰や缶詰にします。
保存食として1年前後の賞味期限が設定されている商品もあり、年中、販売されているようです。
ざざむしの甘露煮/佃煮(提供:PhotoAC)伊那市にある産直市場やお土産屋で購入できるほか、ざざむし加工メーカーから通販で買うことも可能。見た目はちょっと“難あり”かもしれませんが、伊那の4大珍味で伝統料理でもある「蜂の子」「いなご」「さなぎ(カイコ)」とともにぜひ味わっていただきたい逸品です。
昆虫食はクリーミーでとてもおいしいので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
(サカナトライター:額田善之)