英語で「バードラス」と呼ばれている魚がいます。
「バード」とは英語で「鳥」の意味。「どうして魚が鳥と呼ばれているんだろう?」と疑問に思うかもしれませんが、その姿を見れば、きっとすぐに納得してしまうはずです。
見た目も泳ぎも鳥にそっくりの<クギベラ>
バードラスの和名は「クギベラ」。
主に暖かい海のサンゴ礁に住んでいるベラの仲間で、日本では駿河湾より南の海で目撃されることが多いようです。
クギベラのオス(提供:PhotoAC)特に目を引くのは、鳥のくちばしのように長く突き出した口。クギベラはこの口を使って、狭い隙間に逃げ込んだ甲殻類を捕まえて食べます。
泳ぎ方も特徴的
クギベラは大きなヒレを翼のように動かして、水中を飛ぶように泳ぎます。
筆者が初めてクギベラの泳いでいる姿を見た時は「ペンギンみたいだな」と思いました。
見た目も泳ぎ方も鳥にそっくりなクギベラは、まさに「バードラス(鳥ベラ)」という名前がぴったりな魚なのです。
<クギベラ>は模様が変化する魚
クギベラの面白さは、特徴的な形だけではありません。オス・メス・稚魚で、体色が全く違うところも見どころです。
オスは全身が綺麗な青緑色ですが、メスは口だけがオレンジ色で、体は白から黒のグラデーションになっています。
クギベラのメス(提供:PhotoAC)稚魚に至っては体の上半分が黄色で、中央には黒と白のラインが走っています。口がまだ伸びていないので、何も知らないまま稚魚だけを見たらとてもクギベラだとは気づけないのではないでしょうか。
性転換と模様の変化
クギベラの模様は、大人になってからも変わることがあります。それが、メスが性転換をした場合です。
性転換とはその名の通り性別を変えることで、クギベラのメスは人生(魚生?)の途中でオスになることもできるのです。
性別の変化に伴って体色もどんどん変わっていき、最終的には綺麗な青緑色になります。
ちなみに全てのオスがもともとメスだったというわけではなく、中には最初からオスとして生まれてくる個体もいるようです。
クギベラは様々な水族館で飼育されている
クギベラは日本全国の様々な水族館で飼育されており、意外と出会える場所は多いです。
もしもクギベラに出会えたら、是非すいすいと気持ちよさそうに泳ぐ姿や綺麗な青緑色の体色を観察してみてください。
その姿は、きっと鑑賞している皆さんの心を爽やかな気持ちにしてくれるはずです。
(サカナトライター:うどん粉)