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増加する天然ブリを地域資源に? 漬け丼など商品化が進む「極寒ぶりプロジェクト」【北海道白糠町】

北海道白糠町では、海洋環境の変化などを背景に天然ブリが増加。そんな天然ブリを、地域の新たな資源として活用する取り組みが進められています。

白糠町と白糠漁業協同組合、株式会社イミューが2022年に始めた「極寒ぶりプロジェクト」では、漁獲したブリの鮮度管理から加工、販売まで地域で取り組み、付加価値を高めています。

極寒ぶりプロジェクト(提供:株式会社イミュー)

秋漁で水揚げされたブリを使用した「極寒ぶりブリしゃぶセット」や天然ぶり漬け丼の商品が9月17日、白糠町のふるさと納税返礼品として受付開始となりました。

変化する魚種を地域の新たな資源に

白糠町では海洋環境の変化などを背景に、近年魚種や漁獲量に変化が生じています。従来の主要魚種だった秋鮭などの漁獲環境が変化する一方、ブリの水揚げが増加したといいます。

白糠町(提供:PhotoAC)

白糠町におけるブリの水揚げ量は、2019年の0.5トンから2023年には100トン超に。北海道ではブリを食べる文化が本州ほど定着していなかったことから、増加したブリが浜で安値となるケースもあったそうです。

そこで、白糠産天然ブリを地域の資源として活用するため、白糠町と白糠漁業協同組、株式会社イミューの3者によるプロジェクトが始まりました。

白糠では過去にも、昆布からニシン、サケへと主要魚種が変化してきた経緯があります。

今回のブリの増加についても、単なる漁獲魚種の変化として捉えるのではなく、地域漁業の転換点として、漁獲後の処理や加工、流通、販売までを含めた仕組みづくりが進められているとのことです。

鮮度管理や活締めで「獲った後」の価値を高める

プロジェクトでは、水揚げ量を増やすことだけを目標とせず、漁獲したブリを新鮮な状態で地域内加工し、品質を高めて届けることに重点を置いているといいます。

2023年には白糠町内に水産加工場を整備し、「極寒ぶり®」の加工・販売を本格化。翌2024年には白糠漁港内に鮮度保持水槽を整備し、漁獲後のブリを一定期間休ませたうえで、活締めや神経締めを行うなど、品質管理に関する取り組みも進めています。

さらに2025年には、定置部会や全船へ取り組みが広がり、約40人の漁師が魚の扱い方や活締め技術を学ぶ勉強会に参加。今秋からは、5kg以上のブリを船上で活締め・放血して水揚げすることが、白糠漁業協同組合の市場で一般化されるといいます。

2026年秋漁のブリを使った商品を展開

「極寒ぶり」として扱われるには、白糠漁業協同組合で水揚げされ、魚体が5kgを超え、船上で活締め・放血されていることが条件となっています。

今回から販売される「天然ぶり漬け丼」は、神奈川県二宮町の「Kai’s Kitchen」のオーナーシェフと商品開発を実施。ブリの旨みや脂のりに合わせて味付けを設計しています。

「たんたか」「りゅうきゅう」「赤柚子胡椒」に加え、2026年秋から「ごまタレ」「こく旨醤油」が加わり、5種類の味が展開されます。

天然ぶり漬け丼 こく旨醤油(提供:株式会社イミュー)

また、しゃぶしゃぶ用にスライスした天然ブリに出汁や薬味、締めのラーメンを組み合わせた「極寒ぶりブリしゃぶセット」も提供を開始しています。

海の変化によって増加した魚を単に消費するのではなく、漁獲後の品質管理や加工まで含めて地域内で価値を高めることで、白糠町では変化する漁業環境に対応する取り組みが進められています。

※2026年9月30日現在の情報です

(サカナト編集部)

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