便利な小道具
これまで紹介したものがあれば最低限飼育はできますが、下記に紹介する小道具があると日々の世話が効率的に、さらにウツボにとって心地よい環境での飼育を叶えられます。
ウツボ飼育に限らず、マリンアクアリウムにあると便利なものばかり。自分の飼育スタイルに合わせて揃えると良いでしょう。
水かえ用ホース

ホースは水槽の掃除、とくに水かえに使用します。いくつかのタイプが販売されていますが、写真のような観賞魚水槽の水替え用として販売されているものが初心者には使いやすいように思います。青いポンプを動かして水を吸い上げます。
バケツ

ホースとセットで必要になるのがバケツです。ホースで吸った水をバケツに汲み取りそのバケツの水を下水に流します。人工海水を作る上でも必要になりますので、複数用意しておくとよいでしょう。また、魚の一時的な隔離や、磯採集でも使えるので何かと便利です。筆者が愛用しているバケツは、釣りのときに使用する、いわゆる「コマセバケツ」です。
水温計

水温計は海水魚の飼育において重要なものですので、頻繁に見るくせをつけましょう。一般的な、熱帯性のウツボの仲間は22~26℃の海水を好み、水温の変動が大きいと体調をくずしてしまうことがあります。
水温計にはアナログ式のものとデジタル式のものがあります。アナログ式のものは水槽の中に入れて温度を計測します。ガラス製のものが多く、ウツボが暴れるとわれるおそれもあります。デジタル式のものは水中にセンサーをつけて温度をはかるため、センサーを水槽の蓋などに差し込む際に隙間からウツボの仲間が脱走しないように注意します。また電子機器ですので、水槽に落としたら故障してしまいます。
ピンセット

ピンセットはウツボの給餌になくてはならないものです。金属製のもの、木製のもの、樹脂製のものなどがあります。
筆者がいま愛用しているのは、写真のオレンジ色のもの。これは樹脂でできており、先端の形状にも工夫がされていて軽くて餌をつかみやすいようになっています。どの製品を使ってもよいのですが、金属製のものは錆びることもあり、先端が尖っていることもありますので、扱いには注意が必要です。
各種テストキット

海水魚の飼育には水質テスター(テストキット)は必須ではありませんが、あったほうがよいでしょう。水質を検査するためのアイテムです。
写真はイスラエルのレッドシー社のもので、同社はアンモニア、硝酸塩・亜硝酸塩、pH、カルシウム、マグネシウム、KH(炭酸塩硬度)などのテスターを販売していますが、ウツボ飼育の場合は硝酸塩・亜硝酸塩のテストキットと、pHのテストキットくらいでよいです。
写真は硝酸塩濃度を測定しているところです。硝酸塩は生物ろ過の過程でどうしても発生してしまうものです。この硝酸塩濃度が高いと魚によくないので早いうちに水かえをしてあげたいところです。
検査方法は簡単で、海水を正確に付属のピペットで小瓶にとったあと、試薬をいれて攪拌させ、しばらく放置後チャートの色をみるだけです。写真のようにピンクだと、そろそろ水かえをしたいところです。
熱帯魚用の網

熱帯魚用の網は、ウツボを掬うのには向いていませんが、ウツボが食べなかった残餌や、水槽内に落とした物を掬うときに役にたちます。ウツボにかまれると怪我をするおそれもあり、なるべく水槽内に手はいれないほうがよいでしょう。
乾電池式のエアポンプとエアチューブ、投げ込み式ろ過器
ウツボは意外なほど酸欠に弱く、地震や台風などの落雷で送電が止まってしまうと、ウツボが死亡するリスクが高くなります。そんな時でも乾電池式のエアポンプとエアチューブがあれば酸欠を防ぐことができるでしょう。
乾電池式のエアポンプを購入すると、中にエアストーンが含まれていることもありますが、それよりも投げ込み式ろ過器を別途購入しセットしたほうがよいでしょう。非常時の酸素の確保だけでなく、磯採集や生き餌のストックにも役立ちますので、ひとつは持っておくとよいでしょう。