海には様々な危険生物がいますが、身近な危険生物のひとつに毒ウニが挙げられるでしょう。
磯あそびなど岩場近くで遊ぶ際にはマリンシューズなどの脱げにくい靴を履くことが推奨されますが、これはまさに毒ウニなどによる被害を防ぐことが理由です。手袋も着用するとかなり安心度は増しますが、油断禁物なので気をつけましょう。
今回は、刺されると“ヤバい”ウニをいくつか紹介します。
主な毒ウニたち
主な毒ウニとして、ガンガゼ、ラッパウニやフクロウ二の仲間が挙げられます。
ガンガゼ
ガンガゼ(学名:Diadema setosum)はガンガゼ目ガンガゼ科に分類される毒ウニです。
日本に生息するガンガゼの仲間には、ガンガゼ、アオスジガンガゼ、アラサキガンガゼなどが確認されています。
ガンガゼ(提供:PhotoAC)ガンガゼの大きな特徴は、30cm程度もある長くて折れやすい毒棘。この棘がなぜ、折れやすいのかというと、棘が節状で中が中空になっているからです。
つくしの茎をイメージしてもらえば分かりやすいでしょう。
ガンガゼの棘は節状で中空になっている(作図:額田善之)この長く鋭い針はマリンシューズやウエットスーツを貫通することもあります。また、針の先端には毒腺があり、棘の節には細かな返しがあるため、体内に残りやすく危険です。
刺されると強い痛みと腫れが起き、稀にしびれや麻痺、呼吸困難などの症状が現れることもあります。もし、刺された場合には病院を受診しましょう。
ラッパウニ
ラッパウニ(学名:Toxopneustes pileolus)はラッパウニ科ラッパウニ属に分類される棘皮動物です。
他のウニとは異なり先の尖った棘は持たないものの、「叉棘(さきょく)」と呼ばれるラッパ状の棘で噛みついて毒を注入します。しかし、見た目は綺麗で可愛いので、まさか触手やラッパのような管が肉に噛みついてくるとは思いもしないでしょう。
ラッパウニ(提供:PhotoAC)刺されると、激しい痛みを伴って麻痺や呼吸困難などの全身性アレルギー反応を起こすこともあるようです。まさに「触らぬ神にたたりなし」を地で行くような危険生物といえます。
貝殻やサンゴの破片などを身にまとうことがあり、危険生物には見えないため注意が必要です。トラップのような毒ウニなので怖いですね。
また、同じラッパウニ科のシラヒゲウニ(学名:Tripneustes gratilla)も叉棘に毒を持っており、刺されると同様の症状が出る場合もあるため、気をつけましょう。ちなみに、シラヒゲウニは沖縄県で唯一の食用ウニとして捕獲されるウニで、食べるとおいしいそうです。
毒があっても食べたいというのは、フグ食のような魅力があるということでしょうね。筆者も一度は食べてみたいウニです。
イイジマフクロウ二
イイジマフクロウニ(学名:Asthenosoma ijimai)は、フクロウ二目フクロウ二科の毒ウニです。東京大学の飯島魁(いいじままさお)教授が発見したことから、イイジマという名前がつきました
イイジマフクロウ二の卵は普通のウニのものよりも15倍ほど大きく、発生過程も異なる不思議なウニです。
また、イイジマフクロウ二は革袋状の柔らかい殻を持つことも特徴で、一見どんこしいたけのような可愛らしい姿をしています。
イイジマフクロウ二のイメージ(作図:額田善之)腹側の棘は移動用の棘で、背中側に毒針を仕込んだ赤〜黒色と白色の縞模様の棘があります。この棘は十数本以上の束になって背中側に無数に生えており、触れたら最後、毒針が飛び出してくる地雷のような毒ウニです。
刺されると激痛が走り、患部が赤く腫れ、時には呼吸困難や麻痺なども引き起こすため注意が必要となります。
日本では相模湾から九州にかけて、水深8mより深い場所にある岩礁やサンゴ礁に生息するため、特にダイバーが被害を受けやすい毒ウニです。特に、ナイトダイビングで手や膝をついた際に刺されてしまう事例が多いそう。
もしも毒ウニに刺されたら
万が一、ガンガゼなどの毒ウニの棘が刺さってしまったら、落ち着いて海から上がり抜けそうな棘がある場合は抜きましょう。
強い痛みが続いたり、呼吸困難のような症状があったりする場合は、早急に病院を受診してください。稀ですが、種によっては死亡例もあるため、油断しないようにしましょう。
海で遊ぶ際には、地雷のように恐ろしい毒ウニに刺されないよう、底が分厚いマリンシューズをはき、ゴム手袋もしてから楽しんでくださいね。
(サカナトライター:額田善之)