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深海性サメ<フジクジラ>の生物量が多い謎が明らかに! “成長スピード”と“早熟”が繁栄の鍵?

一般に深海性のサメは成長が遅く、出産する子の数が少ないとされています。

そのため、繁殖力が低く、絶滅危惧種に指定されている種も少なくありません。

一方、東北太平洋沖の深海に生息するフジクジラは生物量が多いことが知られているものの、なぜ同種がここまで繁栄しているのかは解明されておらず、その生活史戦略も謎に包まれていました。

そうした中で、北海道大学大学院水産科学研究院の山村織生准教授らの研究グループはこの謎を解明すべく、約1500個体ものフジクジラを採集し、成長速度や成熟年齢を推定。本種の生活史戦略を明らかにしました。

この研究成果は「Journal of Fish Biology」に掲載されています(論文タイトル:Life-history traits of the blackbelly lanternshark Etmopterus lucifer off the Pacific coast of northeastern Japan)。

東北沖に高密度で分布するフジクジラ

一般に深海性のサメ類は成長が遅いことに加え、卵胎生で出産数が少ないことが知られています。

そのため、繁殖力が低く、絶滅危惧種に指定されている種も少なくありません。

フジクジラのイメージ(提供:illustAC)

その一方で、生物量が非常に多い深海サメも存在します。

それが東北太平洋沖の深海で極めて高い個体密度を示すカラスザメ科の小型種「フジクジラ Etmopterus lucifer 」です。

なぜここまでフジクジラは繁栄することができたのか──この謎に迫るべく、北海道大学大学院水産科学研究院の山村織生准教授、水産科学院修士課程2年の平原新大氏、水産研究・教育機構水産資源研究所の成松庸二副部長らの研究グループは、東北沖で採集されたフジクジラ1563個体を対象に調査を行いました。

成長速度と成熟年齢を推定

研究では、フジクジラの体長、成熟の有無、メスの卵数を記録。また、第二背鰭棘の断面に形成される輪紋が年輪であることが確認され、415個体を対象に年齢の査定が行われています。

これらの調査により「雌雄別の年齢と体長の関係」「成熟年齢」を推定。他のツノザメ類との生活史特性の比較が行われました。

フジクジラの生活史戦略

フジクジラと他のツノザ類を比較した結果、フジクジラはツノザメ類の中でも最大の成長率と最小の体サイズを持つことが明らかになっています。また、成熟年齢がメスで6.5歳、オスで3.8歳と早熟であることも判明しました。

一方、卵数は他のツノザメ類と比較して少ない値が示されています。

これらの結果から、フジクジラは出産可能な子の数は少ないものの、成長が早く早熟であり、r−選択(小型、早熟、多産で個体数の増加率を高める戦略)的な生活史戦略を持つことで、高い生物量を実現していると結論付けられました。

深海ザメの新たな側面

今回の研究によって、フジクジラが他のツノザメ類と比較して、成長が早く早熟であることが示されました。こられの特性はフジクジラの繁栄に繋がっていると考えれています。

この成果は、これまで成長が遅く成熟に時間がかかると考えられていた深海ザメの新たな側面であり、板鰓類の多様な生態を理化する上で重要な知見になるとされています。

(サカナト編集部)

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サカナト編集部

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