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まるで人間社会?<オオメジロザメ>の友情と生存戦略 “複雑な社会生活”は生き残るカギ

「サメ」と聞くと、“冷酷で孤独な捕食者”というイメージを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

しかし、人を襲うこともある大型サメの一種・オオメジロザメCarcharhinus leucas)は基本的に単独で行動する一方、私たち人間のように親友をつくったり、苦手な誰かを避けたりと、複雑な社会生活を送っていることが明らかになりました。

この研究は「Animal Behaviour」に掲載されています(論文タイトル:Rolling in the deep: drivers of social preferences and social interactions within a bull shark aggregation in Fiji)。

オオメジロザメは「危険なサメ」の代表格

オオメジロザメは、太平洋・インド洋・大西洋の熱帯から亜熱帯域に広く分布するメジロザメの一種で、日本では沖縄県や宮崎県などで確認されています。

オオメジロザメ(提供:PhotoAC)

腎機能と尿素調節システムが発達しており、体内の塩分濃度をコントロールできるのが大きな特徴です。そのためサメとしては珍しく、河川などの淡水域に長期間とどまることができます。

体長は3.6m、体重は300kgを超える個体もおり、気性の荒さでも知られています。

海外では人を襲った記録も多く、ホホジロザメやイタチザメと並んで「危険なサメ」の代表格です。

サメにも親友がいる?

英国のエクセター大学などの研究チームは、フィジーのシャーク・リーフ海洋保護区で6年間にわたり184個体を追跡調査しました。

個体を識別したうえで「誰が誰と一緒に泳いでいるか」を記録し、並走・先導・追従・引き返しといった2個体間の行動を定量的に分析しました。

その結果、サメたちは誰とでも群れるわけではなく、「親友」と呼べる特定の相手と一緒に過ごす時間を積極的に増やす一方、「嫌いな相手」を意図的に避ける傾向があるとわかりました。

またパートナーとして選ぶ相手は、自分と似たようなサイズの個体が多いという特徴がありました。

人間のような“サメ社会”

オス・メスともに、メスとの交流を好む傾向もありました。

特に興味深いのが、体の小さなオスの行動です。彼らは多くの個体と社会的つながりを持つことで、大きな個体からの攻撃を回避する「緩衝材」として、社会性を利用しているとみられます。

年齢別にみると、ネットワークの中心にいるのは成体で、逆に高齢や亜成体のサメはつながりが弱い傾向がありました。

オオメジロザメ(提供:PhotoAC)

高齢のサメは狩りの経験が豊富で、必要なスキルをすでに身に付けているため、あえて群れに頼る必要がなく、「引きこもり」になる傾向がありました。

成体について回りながら狩りの様子を盗み見て学ぶ、度胸のある亜成体もいるようです。

オオメジロザメの生存において重要な役割を果たす<社会性>

今回の研究から、社会性は狩りのスキル習得や獲物の発見、繁殖の機会など、オオメジロザメの生存に重要な役割を果たしていることがわかりました。

オオメジロザメはIUCNレッドリストで危急種に分類されています。「危険生物」として恐れるだけでなく、生態系のバランスを保つ「キーストーン種」として理解し、保護を進めることが重要です。

サメが「友達を必要とする生き物」だとは、なんだか親しみを感じますよね。こうした事実が、保全への理解を深める大切な一歩になると感じました。

ライター・Polo the Rat

参考文献

Marosi et al. (2026) Rolling in the deep: drivers of social preferences and social interactions within a bull shark aggregation in Fiji. Animal Behaviour 234, April 2026

Bull sharks make ‘friends’—and prefer females to males|Popular Science

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