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<水産卸×アパレル>使用済み漁網を再資源化したユニフォームを共同開発 再生素材の活用へ

寿司・和食向けの水産物を扱う専門卸会社のザ・フィッシュファクトリー・ジャパン株式会社と、繊維・アパレル事業を展開する株式会社カイタックトレーディングは共同で、使用済み漁網を再資源化したユニフォームを開発しました。

水産業とアパレルという異なる分野の企業が連携し、海洋プラスチック問題への対応と水産業の持続可能性を両立させる取り組み。ザ・フィッシュファクトリー・ジャパンでは、合併と社名変更を機に、このユニフォームを全社で導入するといいます。

老舗水産卸2社の統合を機に環境への取り組みを本格化

ザ・フィッシュファクトリー・ジャパンは、長年にわたり寿司・和食向け水産卸の分野で競い合ってきた株式会社香西物産と株式会社大倉が統合して誕生した企業。両社は業界内で「西の香西、東の大倉」と呼ばれることもあったといいます。

ザ・フィッシュファクトリー・ジャパン株式会社本社前(提供:株式会社カイタックトレーディング)

ザ・フィッシュファクトリー・ジャパンは事業を通じた地域水産業の支援や環境負荷の低減も実践。沖縄県石垣島の八重山漁業協同組合との取り組みでは、2026年1月の初セリで八重山産の生マグロを1kgあたり7万円で買い付けました。

産地の水産物に適正な価値を付け、漁業者の収益基盤や地域水産業を支えることを目指しているそうです。

使用済み漁網をアパレル素材へ 異業種連携で資源循環

今回のユニフォーム開発で焦点となったのが、使用済み漁網の再資源化

日本に漂着するごみの中では、プラスチック製の漁網が11%を占めるとされ、海洋生物に絡みつくゴーストフィッシングなど、生態系への影響も指摘されています。

日本の沿岸部に集積された使用済みポリエステル漁網(提供:株式会社カイタックトレーディング)

特にポリエステル製の漁網は、ナイロン製と比べてリサイクルの難しさが課題となっていました。

こうした背景から、カイタックトレーディングは水産系プラスチック資源リサイクル推進協議会(Re)に理事企業として参加し、使用済み漁網をアパレル素材へ再生する取り組みを進行。今回のユニフォームには、同社が開発した使用済み漁網17%を含むスムース素材が採用されました。

使用済み漁網をリサイクルし、ペレット化などの工程を経てアパレル向けの糸へ再生する仕組みが活用されているといいます。

漁網→マテリアルリサイクルペレット→ケミカルリサイクルペレット→糸(提供:株式会社カイタックトレーディング)

完成したポロシャツは、展示会や営業活動などの業務で着用することを想定し、軽さや動きやすさにも配慮。

デザインにはザ・フィッシュファクトリー・ジャパンのグループ会社「The Fish Factory Australia」が手掛けたものが採用され、複数のデザインを展開しています。

新ユニフォーム(提供:株式会社カイタックトレーディング)

「着る」ことから環境課題を身近に

今回のユニフォーム導入は、廃棄される漁網を新たな資源として循環させるだけでなく、水産業に携わる従業員が環境問題を身近に捉えるきっかけになることも目指しています。

カイタックトレーディングでは、漁網リサイクル素材を活用したワークウェアを「Mission Wear」と位置付け、水産業をはじめ海に関わる産業に展開。単なる制服としてではなく、環境課題や企業の事業との関係を示す手段として、再生素材を使ったユニフォームの活用を広げる考えです。

魚を扱う水産卸と、衣料をつくるアパレル企業という異なる業種が、使用済み漁網という共通の課題を接点に連携した今回の取り組みは、廃棄物を新たな価値へ転換する事例の一つになりそうです。

水産資源だけでなく、漁業を支える道具まで循環させることで、海の環境と産地の未来を同時に考える動きにつながることが期待されます。

※2026年8月27日時点の情報です

サカナト編集部

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